手間を惜しむべからず!ピリングの発生原因、手入れ方法を解説します
- ニット製品の取り扱い方法
- 投稿日:
- 2015-10-26
- (更新日:2020-06-27)
はい、どうも皆さんこんにちは〜
丸安毛糸のメガネ(田沢)です。
湯豆腐が美味しい季節になってきましたね。
10月に入ってもう3回は湯豆腐です。
美味しいっていうのは勿論なんですが、やっぱり、切るだけだから簡単で、ついつい湯豆腐に逃げます。
柚子って入れると美味しいんですかね?いい加減味に飽きたので少し味を変えてまた湯豆腐にします。
さてさて、本題に入りまして、
今回は皆さん何度か疑問に思った事があるのではないか、というピリング(毛玉)について、解説をしていこうと思います。
目次
・ピリングとは?
・ピリングの発生原因
・ピリングの対処方
ピリングとは?
みなさんピリングが一体何なのか、ご存知でしょうか?
そんなの今更聞けない!!
なんて方のために簡単に説明を致します。
ピリングとは、摩擦によって繊維どうしが絡み合う事で、毛羽どうしが束になり毛玉になってしまうことをいいます。
上記でもある通り、摩擦により毛玉ができてしまうので、摩擦の影響をうけやすい、脇、袖などに多く発生してしまう場合があります。そして、着用時の摩擦だけではなく、洗濯時の洗濯物どうしがこすれあうことでも毛玉が発生してしまうので、洗濯の際にも注意が必要です。
ピリングの発生原因
上記でも少しだけ触れましたが、摩擦による繊維どうしの絡み合いが主な原因です。
しかし、なぜ繊維どうしが絡み合ってしまうのか?それを少し解説致します。
ピリングが出来やすい繊維は下記になります。
・アクリル
・毛
まずはアクリルから説明致します。
・アクリル
↑アクリルの顕微鏡でみた写真です(画像はこちらから拝借)
アクリルは毛繊維に似せた繊維であるため、特性は毛と類似していて、軽く、暖かい特性があります。
ただ、繊維自体の強度が強く、絡み合ってしまうため、非常に毛玉になりやすいです。
少し内容が変わりますが、「ピル脱落」という言葉をご存知でしょうか?
次の毛で説明を更に致しますが、簡単に言うと毛玉(ピル)が取れて落ちる事をいいます。
先に内容を書いてしまいますが、毛の種類によってはピルが脱落し、目立たないものがあるのですが、上記でもあったように、アクリルは繊維自体が強く絡み合うため、残念ながらピルが脱落するケースは少ないです。
よく毛混(毛○%アクリル◯%)などの素材がありますが、◯%入っているアクリルが毛を抑えて脱落しにくくしてしまう事があるため、そういった素材もピルが脱落することはあまりありません。
・毛
↑毛(アルパカと羊毛)を顕微鏡でみた写真です(画像はこちらから拝借)
毛はふくらみ、弾力性に富み、保温性に優れています。
ただし、これは他の繊維にはないとても細かいクリンプ(鱗=スケール)、と呼ばれる鱗状の表皮をもっているための特性です。
この鱗は隣接する繊維との距離を広げ、隣接する繊維の内部に空間を作ることで、ふくらみや、弾力性、保温性を持たせる効果があります。
と、なんとなく鱗のいいところを説明しましたが、勿論いいことばかりではありません。
一見いいとこ尽くしのこの鱗ですが、こと毛玉にかんしては邪魔なものでしかありません。
実は毛がピリングしてしまう主な原因はこの鱗があるために、繊維どうしが絡み合ってしまうことにより、
毛の繊維もピリングができてしまうのです。。。。。。
ただ、アクリルの時に少しだけ説明しました、ピル脱落が起こる可能性がある種類が毛の中にもあります。
それが獣毛です。
獣毛は羊毛とは違い、鱗が少ないため、たとえ毛玉ができたとしても、その毛玉が取れて目立たない事があります。
アルパカなどのセーターが毛玉が目立たないのはそれが理由です。
ピリングの対処法
やっかいなピリングですが、少しの手間でお気に入りの洋服を綺麗に着続けることができます。
今回はその中でも比較的簡単なものをいくつか紹介します。
・連続着用はしないでね
いくらお気に入りだからと言って何度も連続的に着用すると毛玉だらけのニットになってしまいます。
上記でもお話ししたように摩擦が毛玉の原因ですので、連続での着用はせず、我慢してください。
・洗濯機で洗う時は小さめのネットに入れて裏返して洗ってね
何度も言います。摩擦はNGです。ダメなんです。本当に。
なので、摩擦を抑えるためにも小さめのネットでなおかつ裏返しにして、手洗いモードで柔軟剤を入れてください。
・手でむしらないでね
つい手でむしりがちですが、むしった所が毛羽たってしまうため、そこからまた毛玉できます。
こばさみを使っていただいて丁寧にカットされるか、ブラッシングをして毛並みを整えてください。
上記3点、少し手間かもしれませんが、お気に入りの服を長持ちされるためのテクニックですので、
ぜひ試してみてください。
まとめ
いよいよ、寒い時期になりましたので、毛繊維のセーターなど着用される機会も増えると思います。
そんな時は今回紹介致しました内容を試していただいて、ぜひお気に入りのニットを長持ちさせてください。
ではー