チャーリーワッツの幼少期より発見!強縮ニットのおもしろさ

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こんにちは、佐野です!

 

以前ローリングストーンズ現メンバーの4人それぞれの特徴的なニットアイテムをご紹介したことがあります。

気づいたら1年近く経っておりました。。。

そろそろストーンズについてもう一度触れてみたいなと思っていたところ、
チャーリーワッツがとても素敵なニットアイテムを着用されている写真を発見しました!

しかも幼少期!

毎度写真が載せられなくて残念ですが、こんな感じです!

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公式によるとチャーリーワッツ2歳だそう。

1941年生まれのチャーリーが2歳ということは、、およそ70年前!

ご両親のセンスが抜群!こんなに幼いころからこんなにも素敵なブリティッシュスタイルだったんですね。かっこよすぎです。

あくまで主観ですが、このダブルのコート、おそらく強縮(圧縮と呼ばれる方も)のニット地で作られているように見えます。

ゴリゴリの布帛ウールコートだと2歳児にはストレスの塊となってしまうでしょうし、中にセーターを着込んでいる程もこもこしてもいません。
もし強縮のニットであればキッズアイテムとしてはあくまでニットという点でとても合理的な気がします。

キッズのアウターとしてとても参考になりました。

 

この強縮ニットについて、ちょっと触れてみます。

 

縮絨加工の1種

強縮とは、その名の通り“強い縮絨”のこと。

方法としては、縮絨工程において、

・洗いの時間を長くしたり

・水でなくお湯を使用する

・タンブラー乾燥の時間を長くする

など、普通の縮絨にもうひと手間加えて加工されるケースがほとんどです。

この縮絨については、丸安ブログでも何回かまとめられてますので、是非ご覧になってみてください!

ニットの縮絨って、どんな加工なの?

ご存知でしたか?モヘアの縮絨方法のちょっとしたコツ

 

さてこの強縮についてですが、どんな素材で効果が発揮できるのか、編地の画像と共にご紹介いたします。

基本はウール(羊毛)

ウール原料は、未防縮と防縮に分類されます。

縮みを防げるか否か。強縮加工も“強く洗う”ことを指すので、縮みを防いでしまう防縮ウールでは高価が発揮されません。

なので、未防縮ウール(または未防縮ウール混)の梳毛糸や紡毛糸などで加工を楽しむことができます。

・未防縮ウール×バルキーアクリルの素材での強縮↓

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右が洗い時間15分、左が25分です。

 

・紡毛糸での強縮↓

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かなり分厚くなっています。編目もかすかにしか見えません。

 

モヘアに強縮をかけるには

モヘアをはじめ、一般的な獣毛原料は羊毛と違い繊維自体にクリンプ(人でいうキューティクル)がほとんど存在しないため、
繊維同士が絡まりにくいことから、強縮には向きません。

つまり、風合い出し用に施される縮絨後の編地以降は、どれだけ時間をかけようとも、ほとんど縮みや膨らみは起きません。

では獣毛の強縮方法は全くないのか?となると、そうではないところがニットのおもしろさですよね。

・モヘア絣と未防縮ウールをプレーティングし、強縮をかけた編地↓

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これは是非触ってみて頂きたい1枚です。

モヘアと未防縮ウール、もっと簡単に言いますと“縮む素材と縮まない素材”を一緒に編み、強縮をすることで、
未防縮ウールだけが縮み、モヘアにもその負荷がかかることでこのような編地になります。

元の大きさ、風合と比べるとこんな感じです。

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裏から見るとこんな感じです。

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・こちらは同様の原理で未防縮ウールと防縮ウールのジャカードの編地に強縮をかけたもの↓

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綾織り風にジャカードの組織を組んだところ、ボコボコとした目面に仕上がりました。

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断ち切った端はこんな感じで、ほつれはほとんど出てきません。

 

 

以上こんな感じで、強縮加工はニットを楽しむ上での一要素として注目してみて頂きたい加工です!
洗いの時間などによってその縮み度合をこだわれたりもするので、是非チャレンジしてみてください!

 

ちなみにチャーリーワッツをはじめ、ローリングストーンズメンバーの幼少期の写真は来年ロンドンで開催されるストーンズ展で見ることができるそうです!

日本でもやってくれないかなぁ。。。

 

ではまた次回^^