絵画の衣装・背景から読み取るスコットランド女王 メアリーVS イングランド女王 エリザベス1世
- ニット製品の輸出入
- 投稿日:
- 2015-08-18
- (更新日:2020-06-27)
こんにちは。丸安毛糸の前田です。
朝晩、だいぶ過ごしやすくなってきました。
トンボも現われ、少し都会を離れると稲が穂を下げていて、秋もすぐそこまで??
稲穂を見て ”実るほど、頭を垂れる稲穂かな” ということわざを思い出し、謙虚な気持ちを持ちづづけたい。と感じました。
さて、今回は、前回取り上げた絵画の衣装から物語を作ってしまうトレイシー流に二人の肖像絵を見比べてみました。
イングランド女王 エリザベス1世
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スコットランド女王メアリー
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16世紀後半、スコットランド女王 メアリーとイングランド女王エリザベス1世
親戚関係にあるこの二人。上記の絵を見ると圧倒的に見る側の印象が違うと思います。
イングランド女王エリザベス1世
宝石たっぷりで、手のこんだ衣装。顔周りの装飾も大きく、髪にも宝石。その上に王冠。とってもゴージャス。
私は、イングランドの女王よ。私こそ!と着飾ることで、権力を誇示しているようにも見えます。
スコットランド女王メアリー
黒を基調に、シックでシンプルに落ち着いた印象。
宝石や装飾を派手にしなくても、私はクイーン。エリザベスに比べ、内なる自信があるからこそ、あえてひけらかしていないように見える。
同じクイーンで、なぜこんなに違う?なぜ、エリザベスは権力をアピールしたの?
①メアリーの存在におびえていた?
エリザベスとメアリーは親戚関係にあった。チューダー王朝を開いたヘンリー7世の孫がエリザベスで、メアリーはひ孫にあたり、メアリーはイングランド王位継承権を持っていて、メアリーこそイングランド女王と唱える一派がいたから?という話もある。
②メアリーに対するコンプレックス
メアリーは、幼少で当時ヨーロッパで一番洗練され、優美なフランス宮廷へ渡り、高いマナーや教養を身につけ、国王フランソワ2世の妃であった時期も。
フランス程文化的には華やかでなかったイングランドで育ったエリザベスは、メアリーの白百合に例えられる美しさや、優美さには、敏感だったようで、使いの者から、メアリーの容姿などを聞き出していたという話があるほど。
【おまけ】
実際歴史的には、エリザベスはイングランド王位継承権をもつメアリーを長い間幽閉後処刑しました。
ところが子供のいなかったエリザベス一世の死後、イングランド王位を継いだのは、皮肉にもメアリーの息子ジェームス1世。彼はスコットランド兼イングランド王となりました。
終わりに
随分と”ニット”から離れてしまいましたが、
なぜ、そのアクセントの衣装を?その飾りを?おおげさ?に?
絵画には政治的個人的駆け引きも見え隠れしていて、面白いなと思いました。
では、また。