PITTI FILATI76からの2016春夏トレンド分析まとめ~トレンドカラー編~

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トレンド分析~カラー~

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こんにちは、大久保です。
イタリア・フィレンツェで開催される糸の展示会PIITI FILATI76(ピッティフィラティ)をもとに、私なりのトレンド分析をしました。
ぜひ、企画をするときの参考にしていただければと思います。
今回は、トレンドカラー,そしてトレンドカラーをどのような編地に表現するのかをご紹介します。

トレンドカラーをご紹介する前に知って頂きたいこと。

トレンドカラーをご紹介する前に、まず知って頂きたいのはトレンドのテーマであります。 トレンドカラーはトレンドテーマのイメージより抽出されていますので、トレンドテーマを知ることも重要だと考えています。

トレンドテーマは、マリアイタリア。

2016春夏のトレンドテーマは、MAGLIAITALIA(マリアイタリア)です。
MAGLIA・ITALIAと2つに分けで考えると、 MAGLIA(マリア)はニット ITALIA(イタリア)は国名 イタリア ですから、ニットイタリアという造語。
なぜこの造語になったのかと言いますと、その意味は、前回のトレンドテーマを継続していますので、少しだけ前回のテーマを振り返えると・・・

前回のテーマは、Made in(メイド イン)。

イメージソースの一部で使われていた「 made in Stone」は、石から作られたニットのデザインという意味。
この流れを受け継いで、2016春夏は、Made in Italyが テーマとなりMAGLIA(ニット) ITALIA(イタリア)という造語が生まれました。
2016SSテーマ

エキスポ開催中のイタリアは、世界中から注目を集めます。
イタリアの地から派生した歴史や文化をイメージソースにしたのが今回のPIITIFILATIのテーマとなっています。 テーマがイタリアなので、テーマのロゴには、イタリアの地図が使われていたり、製品サンプルもイタリアの地図がプリントされています。 とにかく、イタリアを感じました。

そして、テーマからなるイメージソースは、14個あります。トレンドカラーを抽出するイメージソースです。
数も多く、抽象的なものも多いです。イタリアの文化ってこんな感じ。と参考までにとらえて頂けたらと思います。

1 pietra bianca/White stone
2 buongiorno signora/Good morning ma’am
3 borgo spirito/The spirit and the village
4 terra forte /strong land
5 ciao bella!!/ciao bella!!
6 limonata piccante/spicy lemonade
7 Altomonte/up in the mountains
8 tropico mediterraneo/mediterranean tropics
9 fior di vela/flowering sails
10 mare sogno/dreamy sails
11 blu dipinto/painted blue
12 santi e salotto/saints and seamstresses
13 caffe salotto/the cafe
14 la strada/the street
イメージソース
この14個のイメージから生まれたのが2016春夏のトレンドカラーです。
では、やっと本題のトレンドカラーをご紹介します。

2016春夏 トレンドカラー

まずは、昨年と比較してみます。
この↓↓↓画像をぱっと見たときに、皆さんはどんな印象を受けますか?

カラー比較

あまり変わっていないような・・・明るくなったかな・・・などさまざまな感じ方があっていいと思います。 第一印象が肝心と思っています。

私の感じた特徴は、
白
ホワイト系カラーが3色(蛍光ホワイト・ホワイト・オフホワイト)と充実!
白は1色で表現しないということですね。

ピンク
ピンク・オレンジ系が増えました。特にオレンジ系のバリエーションが豊富です。

イエロー
今年のトレンドカラーでもあったイエローやブルー系は相変わらず人気カラーです。
全体的に鮮やかさと色のバリエーションの多さが感じられると思います。

そして、色がキレイに並んでいることも今年のトレンドカラーの特徴です。

その特徴は、トレンドブースにも表れています。
こちらが↓↓↓ブース正面の画像です。

ブース

ね!編地が色ごとに並べてあります。これを見たときに思うわず「きれぇ~」と声が出てしまうほど、感動しました。
こんな感動を与えるのことも重要なポイントだと思いました。
そして、ブースの中の製品サンプルも色ごとにディスプレイされています。

見せ方
このディスプレイ方法から分析し、デザインのヒントを見つけました。
色をきれいに見せるには、色ごとに並べる!これも2016春夏のトレンドカラーの特徴です。
配色だったり、コーディネートだったりを色ごとにまとめると良いと思います。
もうひとつ、トレンドブースから見れるディスプレイのヒントは、 ・型が統一されていること。(Vネック・長袖プルオーバー)
これにより編み柄や色をより強調させています。編み柄を強調させたいときは、シンプルな形がベストかと思います。

では次にトレンドカラーをどのような編地に表現するのかを具体的にご紹介します。

トレンドカラー”白を一色で表現しない編地とは”

トレンドカラーで最も注目する色は”白”です。しかもトレンドカラーには白が3色も入っていました。
2016春夏の白の使い方は、先ほどのトレンドカラーでご紹介したように白を一色で表現しないということです。
白は1色で表現しないということを編地でどのように表現したら良いと思いますか?

白を3色使う・・・が一番シンプルですが、3色も白色を使うのはコスト面でも・納期面でも心配ですよね。
ニットの編地は編み方や糸の種類を使い分けることで、白という単色ではなく凹凸による陰影を出すことが可能なのです。
では、白の陰影を出す編地の方法をいくつかご紹介します。

・リンクスやケーブルなど地柄を活かす。

コードヤーンやテープヤーンやリリヤーンなどのストレート形状の糸はこの方法が良いです。
特にテープヤーンなどの扁平の糸はこの模様が映えますね。
Be.Mi.Ba6

 

・ファンシーヤーンを使う。

編むだけで陰影が出せる、形状豊かなファンシーヤーンを使うのもひとつです。
そのファンシーヤーンとして、ブークレーヤーンがおすすめです。
OLIVO12

この写真のようにストレート素材とブークレーヤーンを組み合わせることで、より表面効果・陰影を出すことが出来ます。
こうゆう編地を作れるように弊社でも、2016SSの新しい素材として、 ブークレーヤーンを2タイプご用意しています。

おすすめブークレーヤーンその① ”ランブータン”

Rambutanランブータンは、1/33と極細のブークレーヤーンです。
14Gや12Gとハイゲージにも入りますので、ストレートの細番手と組み合わせる事が可能です。
細番手のファンシーヤーンは、他にないのです。
ランブータン

 おすすめブークレーヤーンその②”シャドーループ”

Shadowloopは、光沢のあるポリエステルと綿のダブルブークレーヤーンです。
番手は、1/20と12Gに入ります。光沢感や形状感がもう少し欲しいという方はこちらの糸をおすすめします。
シャドーループ

・立体的な凹凸柄で陰影を表現する方法もあります。

ストレッチ糸を使用すると、より立体的な編地が作れます。
EM8

・袋ジャカードで立体的な編地を表現することも可能です。

幾何学柄のジャカードが多くありました。
NEW MILL34

・透明糸・モノフィラメント糸を利用した柄。

涼しげな印象を受ける編地表現が可能です。

NEW MILL33

と、ニットってすごい!表現方法がたくさんありますね。
他にも、素材の光沢さを利用したり、異番手を使用したり、本数取りを変えることで糸の太さと細さの差を利用したりまだまださまざまな方法が考えられますね。 今回ご紹介したような方法で白を1色で表現しない編地を作ってトレンド色を打ち出してみてはいかがでしょうか。