ポールマッカートニーの“白シャツ”を見て感じた綿の白とウールの白
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- 投稿日:
- 2015-05-18
- (更新日:2020-06-27)
こんにちは、佐野です!
行ってきましたポールマッカートニー!!!
ありふれた感想ですが、、、最高でした。 開演直前まで、中止にならないかどうかで頭がいっぱいでしたが、、、
会場は暗転、スポットライトを浴びて登場したポール、そしてマジカルミステリーツアーのイントロ、Roll up~♪♪に合わせて動くカラフルな照明。。。
全部終わった後の満足感といったらなかったです。
なにもりも、私のような若輩者でも、生でビートルズサウンドに触れられたこと、これ以上ない喜びでした!!
今も思い出しながらニヤついてます。
っと、ライブレポートになってしまわないようにこの辺で。
ポールの衣装に注目
かっこよすぎたポールマッカートニー。
やっぱりその衣装も気になるところ!
ライブの序盤こそジャケットを羽織っておりましたが、中盤以降はジャケットを脱ぎ、白シャツを身にまとっておりました。
この衣装も近年のポールのライブでは良く目にしますよね。
今回はそんな“白シャツ”から思ったことをまとめてみます。
綿の白とウールの白
ポールも良く着る白シャツ。
そのほとんどが綿(もしくは綿混)の糸で生地が織られていることと思います。
冬でもシャツと言えば基本的には綿。
もっと言えば、サマーウールや太番手の綿など、シーズン関係なく、あらゆる原料が衣料品に使われている昨今において、 “白シャツと白のウールカーディガンを合わせたい”なんて思ったことはありませんか?
私もこのような相談を受けることもしばしばございます。
そのとき初めて“そういえば”と思ったのですが、、、
綿の白とウールの白って全くと言っていいほど違うんですよね。
もちろん、混紡糸や所謂“白”としての色の出し方にもよるとは思いますが、ちょっと極端な例でご紹介します。
比べてみてください
左はウール100%、右が綿100%で共に“白”として染色しています。
比べてみると一目瞭然ですよね。
簡単に言えば、綿の方は真っ白、綺麗な白が表現しやすいのに対し、ウールの方は黄みがかった、アイボリー、もしくはオフホワイトの様な色の出方となります。
単体ずつで企画をすることがほとんどかと思いますので、こういった場面で頭を悩ませることは決して多くはないと思いますが、いざ組み合わせを考えたときには壁にぶつかってしまうかもしれません。
ウールは好みの白度にできないのか?
ではどうしてもウールで好みの白を表現したい場合、全くその方法がないかと言えばそうではありません。
大きく分けると以下の二つが考えられると思います。
①“限界白度”という指示のもと、染色依頼を出す。
もしかすると、BOOKでご覧になっているウールの素材は、まだ白度を上げられる可能性もあります。
特に生地糸にソーピング(染色ではなく、紡績油等を落とし、編める状態にする洗いの行程)のみを施した色を“白”と扱っている場合などは、白を色として染めることで白度の向上を目指す。といった具合です。
しかし、その名の通り限界がありますので、染工場の方と良く打ち合わせをして頂き、落としどころを決めることをおすすめしたいです。
②蛍光染料を使う
以前、織田のブログでも紹介されておりました。
こちらは単純に方法としては①よりも簡単で、わかりやすく、好みの白が表現できるかと思います。
しかし、織田のブログにもあるように黄変してしまうというデメリットもございます。
その製品の企画は蛍光染料を用いてよいものか否か、ケースバイケースでしっかりと検討いただきたく思います。
また、私の個人的な見解ですが、
蛍光染料に対して、生産に携わる方々の間でその価値観が大きく異なるようにも思います。
以前私はこんな経験をしました。
・お客様から別注色で白の依頼を頂き、指示通りに進行
・サンプル糸と量産糸で見え方が大きく異なった
・結果としては蛍光染料を用いて白を表現しており、サンプル糸を使用した製品は黄変し、上がったばかりの量産糸で生産した製品と見え方が異なり、トラブルへ
ここで一番問題でしたのは、企画サイドの方からは蛍光染料使用の可否は出ていなかったものの、目的の色がうまく表現できず染工場の判断で蛍光染料を使用した。
という点でした。
よかれと思ったことが実は問題の種だった、、、
白なら簡単に表現ができると思った、、、
私の知識不足を筆頭に、お互いの価値観の元、このように事がうまく運ばなかった経験があります。
いやはや、全くお恥ずかしく、お客様にもご迷惑をおかけしてしまった話ではありますが、、、
この経験のお蔭でまた一つ色の難しさを学びましたので、あえてお話しさせて頂きます。
白シャツと白のセーターのコーディネートを見越した企画はとても素敵だと思います。
どうかかっこいい製品が仕上がるよう、色へのこだわりの元、ひとつひとつ生産サイドの方々と打ち合わせを重ね、楽しく企画が進められることを祈っております。
せっかく楽しかったポールのライブを他所にトラブル体験談となってしまいましたが!!!
今日はこの辺で。
また次回、宜しくお願いします^^