ニット原料を知ると製品作りが楽しくなる(モヘア編)

  • 繊維と糸

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初春は晴れの日が長く続かず、1週間の中で必ず雨の日があり、その雨も冷たくなければよいのですが、冷たく寒いとがっかりします。
この時期は私の趣味のヘラブナ釣りに一番良い時期で、普段は沖にいる大きな魚が産卵に岸に近づいて来るので、毎年わくわくします。
春は魚が釣れなくても別の楽しみがあり、今年初めて菜の花を取り、おひたしにして食べました。先週は少しのタラの芽とタケノコを1本取り、てんぷらにして食べました。

新鮮でおいしかったぁ~ 画像が無くてすいません・・・。私のおなかの中に納まってしまいました。

こんにちは丸安毛糸の田崎です。
今回もお付き合いをお願いいたします。

 

さて今回は、獣毛の最高級原料に入る、モヘアの原毛産地、特徴、原料の等級、欠点に付いて書いて行きます。

 

ニット用の原毛は南アフリカが最高

モヘアはアンゴラ山羊から生産され、アンゴラの名前もトルコのアンカラで昔から飼育、繁殖をしていたからです。
その後、アメリカにまで渡り、広く飼育、繁殖されていますが、現在は南アフリカの原毛が良いとされています。

 

南アフリカ原毛の特徴

一番の特徴は並外れた光沢です。シルクを上回るとも言われています。
繊維は真っ直ぐで長く、長い物は20cmを超え、軽いのも特徴です。
毛がストレートなので、吸湿性にも優れています。
もう一つの高級原料のカシミヤと比べ、安価で原毛量が多く、使いやすい素材です。

 

原毛の等級と呼び名

スーパーキッドモヘア    25~26マイクロン(最高級原毛で柔らかく光沢も豊か)
キッドモヘア        27~31マイクロン(1段階下の原毛ですが、多く使用をされています。)
ヤングモヘア        32~34マイクロン(インナーには不向きでアウター用に多く使われています。)
アダルトモヘア       35~38マイクロン(毛質が粗いため、絨毯やカーテンなどに使われています。)

DSC_0129          スーパーキッドモヘアを使用しています。

 

DSC_0080

キッドモヘアを使用しています。

欠点もあります。

毛質が真っ直ぐなために空気を多く含むことが出来ず、他の原毛よりも保温力が弱いのです。

 

まとめ

原毛の等級と呼び名で触れましたが、最高級であるスーパーキッドモヘアは、毛質も細く柔らかで肌触りが良いので、インナーには向いていますが、柔らかいので型ちが出しにくいのです。
逆にヤングモヘアは、毛質が太くなるので、肌触りは落ちますが、シルエットが出しやすくアウター向きです。
以上は横編みのニットでタムタムヤーンを使用した時の話です。

最後までお付き合いを頂きありがとうございました。原料を知って頂き、デザインによって使い分けて頂ければ幸いです。

次回もよろしくお願いいたします。