手織りなんて凄い!ペルシャ絨毯の豆知識。
- 編み・柄
- 投稿日:
- 2015-03-13
- (更新日:2020-06-27)
イランに行ったことのある友人達が素敵な国だと口を揃えて言っていたので、去年から計画を立てていたのです。
シリアやイラクなど政情が不安定な国と近接している事から治安が悪いと思われている方は多いと思いますが、私もその一人でした。
2月に入ってからはその気持ちが益々強まっていきましたが、いざ行ってみると・・・
何に気をつけていいのか分からないくらい、平和な雰囲気が漂っていて私の先入観とはかけ離れていました。ビックリです!!
古代の遺跡や歴史ある宗教施設、大自然など見所も多く、街やバザールを散策していると人々は気さくに話しかけてくれたり、助けてくれたりし「もっとゆっくり過ごしたい!」と思うくらい魅力のある素敵な国でした。
あっ、それと食事は今まで行った国でダントツにどれを食べても美味しかったし、とにかく野菜は新鮮でしたよ!!
イランと言えばペルシャ絨毯
そうそう、高級のイメージがあるペルシャ絨毯を今回の旅行で実際に見てきました。
ペルシャ絨毯工房が多いのもイランならではで、シルクやウール、コットンなどあり、さまざまなデザインと色彩が色鮮やかで本当に美しかったです。
ペルシャ絨毯とは:ペルシャ(現在のイラン)で作られる手織りの絨毯は総じて「ペルシャ絨毯」と呼ばれています。
古代ペルシャ王国からの伝統と技術を受け継ぎ、インテリアでありながらその高い技術性が評価され世界中で多くの方に愛されています。
ペルシャ絨毯の産地は細かくは何十もあげられますが、代表的な産地についてはこちら↓
ペルシャ絨毯の産地
昔からイランのほぼ全土で絨毯の生産は行われています。
山脈や砂漠、平原などさまざまな土地環境に応じて、その形状や文様、色使いに特徴が出てきたといっても間違いがないようです。
今では、その産地名で絨毯は取引され、産地名を言えばその地の有名工房からだいたいの色合いまでを想像できるそうです。
♦イスファハン♦
首都テヘランの南約420kmにあります。(飛行機で約一時間)
絨毯の生産には、古くから高度な技術が発達し、イランを代表する見事な作品を生み出しています。
巧妙な技術からこの地の職人たちの抜群のセンスの良さを感じます。
♦クム♦
首都テヘランの南約120km、イスファハンへ行く途中にあります。
主として農業を営んでおり絨毯の歴史は他の町ほど長くは無く、わずか100年ほど前に始められました。
しかし制作技術は他の産地の100年に匹敵するくらい高度なものであり、イスファハンと並ぶイランの代表的産地の一つとなりました。
特に絹の絨毯は世界的な評価を受けています。
♦カシャーン♦
カビール砂漠の西端に位置する為、夏は非常に暑くなります。
この地方では絨毯は古くから、ほとんどの家庭で作られてきました。赤や紺といった原色のメリハリのきいた色使いが特徴ともいえます。
絨毯と共に育ったイランの人々にもっとも好まれる産地の一つです。
♦ナイン♦
イスファハンの東150kmに位置する砂漠の中にある緑の少ない町です。
イラン伝統的な衣服用の織物業が盛んでしたが、120年くらい前から、積極的に絨毯をつくり始めました。
デザインは、地理的にも近いイスファハンに似ていますが、ベージュを基調とした落ち着きのある色彩が特徴です。
♦タブリーズ♦
農業と、牧畜が盛んで、古くは東西貿易の中継地として大いに栄えてきました。
トルコの国境に近い為、絨毯にもトルコ文化の影響が出ています。肖像画やミニアチュールなど写実的に細かく織り込む技術を得意としています。
落ち着いた深みのある色調が多く、絨毯に使われるウールは、この町の北部「マーク」と言うところで用意されます。
最後に
ペルシャ絨毯は手作業で糸を一つ一つ結んでいくことにより作られていて、古いもので80年以上経過してもなお使用が出来るほどの耐久性を持っていると知り、凄い技術だと思いました。
質や使用素材によって耐久年数は異なりますが、100年以上経過して非常に高値がついているアンティークのペルシャ絨毯もあり、室内でも靴を履く海外で100年以上も使用可能なのはペルシャ絨毯くらいのようです。
そのためには定期的なお手入れが必要なんですって。
ペルシャ絨毯に限らず、自分の愛着あるもの・大切なものは長く使い続けて次の世代まで残せたら嬉しいですし、手編みのニットやマフラーなども母から子、子から孫というようにその家の歴史を見守っていく役割を果たしてくれたら素敵だなぁと思いました。
それでは。