ニットの原料を知るともっと製品作りが楽しくなる(ウール編パート4)

  • 繊維と糸

 

今年の冬は、晴れて風のない日の日中はポカポカと暖かく、今年は暖冬かなと思わせる日があったり、風が強く寒さが身に染みる日があったり、降雪を記録する日が例年よりも多かったり、体調管理の難しい冬のような気がします。年のせいなのかな・・・

風邪を引いたり、インフルエンザに掛たっりはしていませんか。もうすぐ3月になり、暖かな春がもうそこまで来ていますので、もう少しの我慢です。

丸安毛糸の田崎です。今回もお付き合いをお願いいたします。

 

今回もウールに付いて書かせて頂きます。4回目になりますので、「もういいから違うのにしてよ。」と言う声が聞こえてきそうですが最後になりますのでよろしくお願いいたします。

ウール編パート1はこちら

ウール編パート2はこちら

ウール編パート3はこちら

 

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最初に使ったこの写真をもういい度使わせていただきます。(だってこの写真が私は好きなんです。)

寒さに耐える羊が可愛くありませんか。冬の間、寒さを凌いだ毛を私たちに提供してくれるんですよ。
毛を刈り取るのは春で、夏が来る前に刈り取ってあげます。寒い冬を乗り越えた長い毛のままでは暑い夏は乗り切れません。ここに人間と羊の共存があるのです。

今回は、糸に付いてと繊維の太さ(マイクロン)に付いて書いていきます。

 

毛糸の種類

梳毛糸
細くて凹凸が少なく毛羽立ちの無いきれいな糸です。
梳毛糸で作られる編地、布帛生地は薄く仕上げることが出来き、表面がきれいなのが特徴です。
原毛は細くて長い物を使い、紡績工程ではわたを梳きながら繊維を平行にして少しずつ細くして行き、最後に撚りを強く入れて糸にします。
この状態(単糸)では強度が弱いので双糸(単糸を2本撚り合す)にして使います。

紡毛糸
梳毛糸に比べると太くて毛羽立ちがあり柔らかな糸です。
空気を多く含むことが出来るので、厚手の生地で膨らみと柔らかさが特徴です。
原毛は梳毛糸に出来ない太い物や繊維の短い物を使います。
もう一つの紡毛糸の特徴は1本の糸に色々な繊維を混ぜて作ることが出来ます。

ソロスパン
新しい紡績方法で、梳毛や紡毛に比べ糸質が強く、毛羽立ちが少ないのが特徴です。
単糸でも使えるので織物用の糸として多く使用をされています。

 

繊維の太さ(マイクロン)

太さはマイクロンで表し、1マイクロンは1000分の1ミリになります。
上質の繊維を表す言葉にファインウール、エクストラファインウールなど何種類かに分かれ、繊維の細い物が上質になります。

 

糸名と繊維の太さ

ストロングウール          23~25マイクロン
ミドルウール            20~22マイクロン
ファインウール           20~21マイクロン
エクストラファインウール      18.5~19.5マイクロン
スーパーエクストラファインウール  17.5~16.5マイクロン

まとめ

4回にわたりウール種類、特徴、欠点、糸に付いてと書かせていただきました。
多少でも皆様の物づくりに役立てば幸いです。

そして最後に羊毛の羊に付いて書きたいと思います。
羊の寿命は15年ほどですが、羊毛ひつじとして飼われるのは7年くらいです。
年を取ると毛の質が硬くなり繊維としては使えなくなってしまいます。
羊毛ひつじとして活躍をしてくれた後の多くは、中近東へ食肉用として輸出になります。
最後まで人間のために生きてくれています。
お持ちのウール商品を大事にしてあげてください。

長々となりましたが最後までお付き合いをして頂きありがとうございました。