ニットの基本的な撚糸の種類について

  • 繊維と糸

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こんにちは!製品部の若名です。

3月も終わりに差し掛かりやっと暖かくなってきましたね。

先日打合せ中に「カベ糸」の話が出てきて、

どういう糸かをなんとなく分かっていても実際はどんな撚り方になっているのか分からないかも・・・ということに気が付き慌てて調べたことがありました。

そのほかにも、基本的な撚糸の種類を改めて調べたのでおさらい的にご紹介させて頂きます!

撚糸とは?

撚糸(ねんし)とは、糸に撚り(より)をかけること、また、撚りのかかった糸のことをいいます。

撚るとは、ねじり合わせることです。

元々は蚕から採れる生糸(絹)を一本では弱いので束にしていましたが、ばらばらになってしまい使いにくいので撚りをかけ、強くて使いやすい糸にしたところから撚糸は生まれました。

当初このような簡単な目的のために行われたのですが、その後は撚りを強くしたり弱くしたり、違う糸を撚りあわせたり、空回りをさせて飾り糸(ファンシーヤーン)が作れるようになったりと、様々な目的に合わせて工夫がなされるようになりました。

撚りの種類は、右に撚る方法(S撚り)と左に撚る方法(Z撚り)がありますが、現状は左撚りの場合が多いです。

撚り数の分類は、1メートル間の撚り数で決まり、甘撚、中撚、強撚、超強撚に分けられます。

撚り方による撚糸の種類

1.片撚り

1本または2本以上の糸を引き揃えて撚る方法です。

通常双糸、もしくは3っ子撚りが基本になります。

MELLOW メロウ – MONTELUCE ヤーンコレクション

2.諸撚り(もろより)

片撚りを掛けた糸を2本以上引き揃え、さらに片撚りと反対に撚りをかけたものです。

BALLOON バルーン – MONTELUCE ヤーンコレクション

3.駒撚り(こまより)

片撚りで強撚にした糸を2本以上引き揃え、さらに片撚りの反対方向に撚ったものです。

CURIOUS キュリアス – MONTELUCE ヤーンコレクション

4.カベ撚り(かべより)

カベ撚りをかけた糸をカベ糸といいます。

片撚りをした糸と、撚りの掛っていない細い糸を引き揃え、片撚りと反対方向に撚ったものです。

先日の小林のブログでご紹介したルシエがカベ糸になります。

LUCIE ルシエ – MONTELUCE ヤーンコレクション

5.意匠撚糸

様々な撚糸方法で糸に装飾を施したファンシーヤーンです。

ATON アトン – MONTELUCE ヤーンコレクション

それぞれ構造が違うので細かく説明は省きますが、リング、ブークレー、ループ、ポーラー、コード、ツィード杢、ノット、カール、リリヤーン、モールなどは意匠撚糸によって作られた糸です。

ファンシーヤーンは撚糸の技術で作られたもののほかに、

★紡績技術で作られたもの(スラブ、ネップ、コアスパンなど)、

★紡績と撚糸の技術両方を駆使して作られたもの(トライスピンによる紡績ブークレーやループ、タムタムヤーン、吹付ヤーン、紡績リリヤーンなど)、

★二次加工で作られたもの(エアー混繊、仮撚り、ギマ(疑麻)加工、コンニャク加工、絣染、スペック染など)

様々なものがございます。

まとめ

撚糸は奥が深いですね~!また、ファンシーヤーンの世界を今回は掘り下げられなかったのでまたご紹介したいと思います!

それではまた。