26SS PITTI FILATI 96 レポート

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皆様こんにちは。

今回は2025年1月に開催された、イタリアのニット糸の展示会『PITTI FILATI 96』で、丸安毛糸社員キャッチアップしてきた“糸の最新トレンド情報”をご紹介します。

テーマ:Body of light

デザイン性はさることながら、環境に良いものであるのが欧米市場ではスタンダートになってきた中、クラフトマンシップや背景のストーリーを持たせていくのが今回のファッションのテーマでした。

今回のテーマに沿った編み地を各社が展示するトレンドブース画像

植物や人間、動物に天然資源のミクロの世界からインスパイアされています

  • 異次元な世界観だけれど、オーガニックで自然的
  • チェック、アーガイル、ケーブルなどのクラシックなニットの編み方
  • 軽くて複雑な組織
  • レースやメッシュ

などが目立ちます。

30社近く回った各社の印象

SS素材でも、毛足のある素材を細番手にしているものは、季節の変わり目に重宝する理由でいくつか出ています。

カシミヤやウールなどの獣毛を得意とする会社は、番手を極細にしたり、綿やリネンとブレンドすることで、昨今上昇する夏の気温に対応しようとしています。

TIMELESS / SEASONLESSコレクションを別途用意して、通年使える素材として売り出すところ増えている様です。

綿の使い方は、暑い季節にシャリ感やドライタッチで、真夏のニットを狙うよりも、柔らかいタッチの綿を通年使えるように用意する方向へシフトしつつある印象です。

日本の気温から考えると、ドライタッチの方が好まれる体感がありますが、地域差によって差がある事を改めて感じます。

ヨーロッパでは、ドライ感やシャリ感よりもソフトタッチが好まれる傾向はあるが、イタリア市場をメインに売る先では、リネンも売れているとのことです。

太番手が多く、日本ではあまり背景の無い3-5Gも目立ち、

コイル巻きや横巻の糸も多く、日本ほど糸の目付けは気にせず、ダラッとした編地感も多い印象です。

ラメ糸をムラ巻き

プリントの機械がイタリアで増えた理由により、プリントでカラーの組み合わせを見せるところが多かったです。

カラーセンスが良く、日本では見かけないカラーの組み合わせも多くありました。

目立って共通したその年のトレンドはあまり無い様に感じます。

紡績会社は各社得意な素材を活かしたバリエーションを増やし、

ファンシーヤーンを得意とする会社ではラメやスパンコールは定番で、プリントの仕方やカラーの組み合わせ、糸の形状でデザイン性を出しています。

リサイクル原料や、認証マーク付き原料に関して取り扱われる品番も多く、特にヨーロッパ圏に関してはその意識が強い印象を改めて感じました。

芯糸に巻きつく糸の強弱により、ドットが飛び散る様に見せている表現

こちらは中々日本ではみかけないタイプのファンシーヤーンです。

品も漂いつつ目新しさを覚えます。

まとめ

  • 昨今の気温上昇に対する対策を各社から感じられる
  • 通年素材の拡大
  • ドライタッチとソフトタッチの好みは地域差や、ブランドの好みによってさまざま
  • 糸プリント品番が多く存在し、そのカラーセンスが高い

結びに

いかがでしたでしょうか。

実際に現地で撮影してきた写真とともに、糸の最新トレンドを少しでも体感いただけたら嬉しいです。