世界的にも珍しいレーヨンナイロン "ルシエ"
- 繊維と糸

- 投稿日:
- 2025-02-20
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皆さん、こんにちは。
「筋肉も繊維ですから」を合言葉に日々、住吉と共にジムで筋トレに励んでいる小林です。
先日イタリアのフィレンチェで開催されたPitti Flatiに参加させて頂き、30社のイタリア糸メーカー様の素材を見る事が出来ました。
イタリア糸ならではの凝った作りの糸も多くありましたが、日本にも世界に誇る日本のアイディアと技術が詰まった糸があるのはご存知でしょうか。
その糸が【ルシエ】になります。
そこで今回はルシエが世界的に珍しい糸であることをご説明させて頂きたいと思います。

世界的にも珍しいルシエの作り方
ルシエは芯のレーヨンに鞘糸のナイロンをクロス状にダブルカバーした糸になりますが、
通常のダブルカバーではルシエのような繊細なカベ形状にはならず、ストレートな形状になります。
ルシエは、フライヤーという特殊アタッチメントを機械に装着し、鞘糸に一定のテンションを掛け続け、鞘糸に入る弛みを極力少なくすることにより、染色時の鞘糸と芯糸の収縮差で、芯糸が逃げ場を失い、浮いてくることで、繊細なカベ形状になります。
撚糸の技術と素材の収縮差を活かした糸がルシエになります。
海外(特に中国)にはフライヤーというアタッチメントを持っている所はほとんどなく、日本でもフライヤーを持っている所が数軒しかなく、日本でも非常に希少な糸になります。

ルシエの特徴
ルシエはダブルカバーで撚りが強く入っている事と、繊細で細やかな形状感が合わさることにより、肌離れが良く、快適な着心地とシワになりづらい特徴があります。
また通常のカベ糸に比べ、細かな形状感の為、上品な雰囲気を演出できる糸になります。
形状の主張も強くない為、ストレート糸に近い感覚で使用する事ができ、天竺だけでなく、リブ等の企画で少し表情のある物にしたい場合には最適な糸になります。

まとめ
如何だったでしょうか?
まだまだお伝えしたい事がたくさんありますが、ルシエをより知って頂けたかと思います。
ルシエは日本でも生産出来る所が限られている希少な糸です。
海外からの評価も高く、様々な企画に繊細な表情をもたらしてくれます。
世界に誇る日本のアイディアと技術が詰め込まれたルシエを是非使ってみてください!