製造方法からみる“ファンシーヤーン”の世界
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- 投稿日:
- 2025-04-24
- (更新日:2025-03-21)
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個性的な形状や質感でニット製品をより魅力的にしてくれる「ファンシーヤーン(意匠糸)」。
「どうやって作ってるの?」と疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
今回は製造方法におけるファンシーヤーンの種類と特徴、『MONTELUCE』で展開しているファンシーヤーンまで詳しくご紹介します!
■製造方法におけるファンシーヤーンの分類について
様々な種類のあるファンシーヤーンですが、製造方法によって大きくは4つに分けられます。
①撚糸技術を基としたファンシー・ヤーン
②紡績技術を基としたファンシー・ヤーン
③紡績と撚糸を駆使したファンシー・ヤーン
④二次加工によるファンシー・ヤーン
①~④まで詳しく解説していきます。
ファンシーヤーン 色々

■①撚糸技術を基としたファンシー・ヤーン
撚糸技術を基としたファンシーヤーンは、複数の糸を巧みに組み合わせて作られます。
代表的な例・・・リング、カベ、ブークレー、ループ、コード、ノット、カール、リリヤーン、モールなど
これらの糸は、芯糸、飾り糸(浮き糸)、押さえ糸を使用し、それぞれの糸の張力や供給速度を調整することで、独特の形状を生み出します。
例えば、ブークレーヤーンは、芯糸に対して飾り糸を多めに送り、凹凸をつけた後、押さえ糸で形状を安定させています。
■ ②紡績技術を基としたファンシー・ヤーン
紡績技術を基としたファンシーヤーンは、紡績の段階で特殊な加工を施すことで作られます。
代表的な例・・・スラブヤーン、ネップヤーン、コアスパンヤーンなど
これらの糸は、紡績時にトップ(わた)の段階で異なる繊維を混ぜたり、意図的に不均一な太さの部分を作ったりすることで、独特の風合いを生み出します。
■③紡績と撚糸を駆使したファンシー・ヤーン
紡績と撚糸の両方の技術を組み合わせて作られるファンシーヤーンもあります。
代表的な例・・・トライスピンによる紡績ブークレーやループ、タムタムヤーン、紡績リリヤ―ンなど
紡績段階での特殊加工と、撚糸段階での形状付与を組み合わせることで、より複雑で独特な風合いを実現しています。
■ ④二次加工によるファンシー・ヤーン
二次加工によるファンシーヤーンは、糸が作られた後に追加の加工を施すことで生み出されます。代表的な例・・・エアー混繊、仮撚り、ギマ(疑麻)加工、コンニャク加工、絣染、スペック染など
これらの加工方法は、既存の糸に新たな特性や外観を付与し、より多様なデザインや機能性を実現します。
■『MONTELUCE』のファンシーヤーンのラインナップは?
MONTELUCEのファンシーヤーンのラインナップは、以下が挙げられます。(一部抜粋)
ブークレー | パフ2 |
ブークレー | マリアブークレ― |
コード | アメジスト |
コード | アンシェント |
コード | スカイジー |
リリヤーン | クレアライト |
リリヤーン | エリカ |
ノット | エッフェル |
ノット | カルーナ |
ノット | シロップシャーノット |
カール | ムスキオ |
モール | ヴェルート |
ネップ | オリベット |
ネップ | セーブリッチツイード |
紡績ループ | アトン |
コンニャク加工 | ピサ |
■結びに
今回は製造方法からみるファンシーヤーンの種別を解説していきました。いかがでしょうか?其々の形状や特性を活かし編んでいくことで、唯一無二のテキスタイルが実現できます。今回例として挙げた『MONTELUCE』のファンシーヤーンも一部ですので、もし気になる糸をお探しの場合はお気軽にお問い合わせください!
本記事の執筆にあたり、下記サイトを参考にさせていただきました。
[1] https://rouranca.com/fancy-yarn
[2] https://all-about-textile.com/knowledge/what-is-fancy-yarn/
[3] https://www.ipros.jp/product/detail/2000140823/
[4] https://www.gosyo.co.jp/how-to-keito