リブ寸法が縮みすぎた場合の改善方法について

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こんにちは、丸安毛糸の若名です。

先日工場様に仕様書をご連絡した際に、「この編地だとリブ寸法が指示通りにはならないよ」と教えて頂いたことがありました。

メンズのアイテムだったため、いくらリブでも縮みすぎは困る・・・!と思い調べたところ改善方法が見つかったのでご紹介いたします!

リブが縮まる原因について

身頃を天竺、裾を1×1リブで設定したサンプルの裾が想像以上に縮まりすぎてしまったことは無いでしょうか?
この原因としては大きく2点あります。

①度目が詰まりすぎている
②リブの目数が不足している

まず、①についてです。
リブは両面組織になるので天竺に比べて糸量が多くなります。

そのため重さが出やすくダレて見えてしまうことも多いので、リブのみを度詰めにすることがありますよね。

あまりにも度目をギュッと詰めてしまうと目が小さくなる分、思ったよりも小さく上がることがあります。

続いて②についてです。

天竺と1×1リブの袖口です。

リブ付けくらいで天竺がギュッと縮まってギャザーのようになっています。
リブ自体に横に伸縮性があるため、通常ギュッとはなるのですが、上記写真の事例では
「リブ」「天竺」それぞれの目数の比率によって更にリブが縮まっています。

5cmあたりの目数を数えてみると・・・

リブ→5cmあたりに32目
天竺→5cmあたりに22目

約10目の差がありました。

この差が大きいとリブはどんどん縮まっていきます。

改善方法について

①度目が詰まりすぎている

①の改善方法は、詰まりすぎてしまっている度目を甘くする(目を大きくする)事により、寸法を調整することが可能です。
また、リブの組織を1x1ではなく。2x1、2x2などの組織に変える事でも、寸法の調整をはかることができます。
ただ、度目を調整に関しては、度目を甘くしすぎてしまうと編地がしっかりせずに、着用の際にだれてしまいますので、許容の度目に抑えるなどの微調整が必要になります。

リードタイムやコストにもよるのですが、心配な素材の場合は普通度目→度詰め→最大度詰めを試せるとベストですね。

②リブの目数が不足している

②の改善方法は、単純に裾リブの本数(目数)を増やしてあげる事により、入りすぎてしまった寸法を調整することができます。
では具体的にどのように調整しているのか?

下記写真をご覧ください。

赤で囲っている箇所でリブが寄せられているのが分かりますか?

これは、まず、リブを指示寸法に合わせた目数にし、編み出しを行います。
しかしこのまま身頃まで編み進んでしまうと、身頃の必要目数にならずに今度は身頃が小さく上がってしまいます。
そのため赤丸の箇所で身頃の目数に調整をし、身頃の指示寸になるようにします。
こちらの方法が比較的綺麗にすることができるのですが、編むにあたり手間が増えてしまったり、よく見てわかる様に、目数を調整している箇所にファッションマークが入ってしまいます。

デザイン的に目立たせたくない場合は①の方法を取った方が良いかもしれないです。

逆にもっと縮めたい場合は・・・?

一番簡単な方法はストレッチ糸を入れることだと思います!

糸の太さとゲージ的に難しい場合は①の改善方法の逆で、

度目を詰める、2×2リブなら1×1に変更するなど・・・

ギャザーをしっかり入れたい場合はリブを別付けしてしまうなどの方法もあります!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

私も改めて調べたのですが、原理が分かると対策がしやすいな~と思いました!

それではまた。