ニットの原料を知るともっと製品作りが楽しくなる(ウール編パート3)
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2015-02-05
- (更新日:2020-06-27)
早いもので、もう1月も終わり節分も過ぎてしまいました。
1月は行ってしまい、2月は逃げて行き、3月は去ってしまうと言う、時の速さを表現した言葉がありますがまさに実感をします。
これから年度末に向かいますので、気を引き締めて行こうと思います。
こんにちは丸安毛糸の田崎です。
今回も引き続きウールに付いて書いていきますので、お付き合いをお願いいたします。
前回はウールの良い点について書きましたが、今回は欠点、注意点について書いていきます。
縮みに注意をして洗濯をしてください。
縮む理由は羊毛にはスケール(スケールに付いては後述いたします。)があり、もみ洗いで生地が縮むからです。
スケールが濡れることで開き、もむことでスケール同士が絡み合い、方向性に従った動きをした結果が縮になります。
セーターを縮まないように洗うには、35度位のぬるま湯に中性洗剤を入れ、押し洗いで手早く洗うのがこつです。
汚れは普通の着用であれば表面にだけですみますので、もみ洗いをしなくても汚れは落ちます。 すすぎも押してすすいでください。
水を切るときも絞らずに押して水を切ってください。
干し方はニット製品の場合は、水の重さで伸びてしまうので平干しをしてください。
洗剤は中性洗剤を使ってください。
ウールはアルカリに弱いので中性洗剤か弱アルカリ性の合成洗剤を使ってください。
特に白いものは中性洗剤をお勧めいたします。
直射日光に注意をしてください。
直射日光にあたることで色が横変をしたり、強度が低下をしていきます。
干すときには、風通しの良い直射日光が当たらない場所で平干しをしてください。
特に、白や淡い色は横変がしやすいので注意をしてください。
アイロンは低温でかけてください。
ウールは燃えにくいのですが、熱には強くありません。アイロンの適温は120~140度です。 スチームアイロンで必ずあて布をして、少し強めに手早くかけるのが良い方法です。 スチームがない場合は、あて布を湿らせて使うと良いです。 当て布もウールの物を使うと、テカリも防ぐことが出来ます。
虫食いとカビに気を付けてください。
ウールはタンパク質なので虫が好んで食べます。特に毛質の良い柔らかなものから食べていくようです。
虫を防ぐには、卵を産み付けられないように清潔にしておくことがポイントになります。
しまう時は、防虫剤と一緒に乾燥剤入れると、虫の好む湿気をなくすことが出来ます。
乾燥がしていれば、カビが生えることもありません。
冬ものをしまう春先が、虫の動きが活発になる季節なので注意をしてください。
まとめ
欠点を知ることで、色々な対処方法も考えることができ、特徴を活かすことが出来るのだと思います。
原料の特徴と欠点を知って頂き、製品作りのお役に立ててください。
セーターを洗うときには必ず洗濯表示の確認をしてください。
毛質によっては縮みやすい物もありますのでご注意を。
今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。
次回もウールに付いて書かせていただきます。