知ってると楽しい着物の柄の持つ意味とは?
- 仕事に役立つ豆知識
- 投稿日:
- 2023-08-17
- (更新日:2023-08-15)
こんにちは。
夏のこの時期、日本各地で”伝統”とか”和”にふれる機会も多いのではないでしょうか。
ということで、今回は着物の柄を挙げていきます。
紗綾型(やがた・さあやがた)
卍マークを斜めに崩して連続してつなぎ合わせたもの。中国の明から伝わった織物「紗綾」の地模様として使われていたため、この名がついたそう。
亀甲(きっこう)
正六角形を上下左右に繋いだ幾何学模様。亀の甲羅に似ていることから「亀甲」と呼ばれています。亀は鶴と同様に長寿の象徴であり縁起のよい柄としてよく使われます。
鶴(つる)
鶴は「生命力の豊かさ」「長寿」を意味する神秘的で縁起の良い鳥。幸せを祝う場の着物の模様として選ばれてきました。鶴は一度夫婦になると一生添い遂げる唯一の動物。子どもが旅立つまで夫婦仲よく寄り添う、という夫婦円満の意味もあり、婚礼におすすめ。
牡丹(ぼたん)
とっても豪華な百花の王、牡丹の花は「幸福」「富貴」「高貴」を意味します。小さな丸いつぼみから大輪の美しい花を咲かせるのが由来の理由。
扇(おうぎ)
扇の柄は、先端が広がった末広がりの形から将来の展望が広いことを表すとして好まれています。縁起物とされており、発展、繁栄を願う縁起のよい柄です。
市松(いちまつ)
江戸時代中期に歌舞伎俳優「佐野市松 当たり役になった時の衣装がこの模様。その着物の柄が広まり、着用していた佐野市松の名前を取り、市松模様になったといわれています。
青海波(せいがいは・せいかいは)
扇状の形を波に見立てて書き表した幾何学模様。大海原の穏やかな波のようにいつまでも穏やかな暮らしが続くようにという願いがこめられています。
七宝(しっぽう)
円を4分の1づつ重ねた文様。七つの宝を表現していて円形は円満を表しています。富貴や無限の子孫繁栄を表すとして好まれています。
矢絣(やがすり)・矢羽絣(やばねかすり)
矢の羽根を図案化し並べたもの。卒業式の着物が有名。
立湧(たてわく)
2本の曲線をクネクネっとさせて、湯気が立ち上るような様を表現したもの。
鱗(うろこ)
三角形を連続で並べ合わせた柄。魚のウロコに似ているから鱗と呼ばれています。厄除け柄なので長襦袢などの隠れた場所使いが多いようです。
梅(うめ)
厳しい冬を耐え忍び、後の春に美しい姿を見せてくれる梅の花。「忍耐力」や「美」を表す、美しくも力強い花。 実は梅(うめ)には、「産め」との掛詞から、安産祈願も込められているのです。
丸文(まるもん)
丸(円)は始点も終点もないため、無限を表すとして縁起の良い文様。鏡柄や花を丸く描く花丸文など、様々なものを描いた文様があります。「円=縁」に繋がることから、花嫁衣装に好まれます。
花丸紋(はなまるもん)
花を円形にまとめた柄、または円で囲んだ中に花をおさめる柄です。
熨斗(のし)
熨斗鮑と呼ばれる神へのお供え物が元となり、長寿に続くものとして古くから縁起物とされてきました。細長い帯状の形の中に華やかな文様を描いたものが多い。
御所車(ごしょぐるま)
京都御所の周辺で使われた貴族の乗り物で、牛車の別称。古典的で雅やかな文様の代表。平安時代に貴族の乗り物であった御所車は、その見た目の通り、富や華やかさを表した柄であり、着物によく描かれています。
桜文(さくらもん)
平安時代より日本人に愛されてきた桜。五穀豊穣の神が宿っている木であり、豊かさという意味もある。さくらの「さ」は稲、「くら」は神が宿る座を意味し、豊作を願って花見の宴を催し、その際には桜文様が描かれる。春の花ですが、季節を問わず身につけることができます。日本の国花でもある桜は、季節の始まりである春に咲くことから新しい門出を意味する柄です。
鳳凰(ほうおう)
古来中国より言い伝えられてきた伝説の鳥。平和で幸せな世界が実現されるときに現れる瑞鳥と言われており、また華麗で優美な姿をしているため、飛鳥時代より広く永く好まれる文様です。
菊(きく)
見た目も美しくかぐわしい香りがするため、まさに着物にぴったりの花。長寿を象徴する代表的な花。長寿の象徴であるほか、無病息災、邪気払い、心身の安定などさまざまな意味をもっているのも菊の特徴です。菱形や丸と組み合わされることも多いです。菊は秋の花とされていますが、季節を問わず用いることができます。丸い形が太陽を思わせることから、花柄のなかでももっとも位の高い花として用いられています。
松竹梅(しょうちくばい)
極寒でも緑を絶やさない「松」、寒さに負けず青々とまっすぐに伸びる「竹」、冬の寒さからいち早く花を咲かせる「梅」は、「三寒三友」と言われ古くから尊ばれてきました。逆境にあっても節操を守る例えとされており、日本でも古くから祝儀に欠かせないもの。
麻の葉(あさのは)
着物の柄でよく用いられている幾何学的な模様で、麻の葉を六角形に見立てて図案化したもの。麻の葉は成長が早いことからじょうぶですくすくと育つようにと子供の成長祈願とされ、子供の産着に使われることが多い。また麻の葉自体には邪気を払う性質があると言われていることから魔除けの意味が込められています。
蝶(ちょう)
幼虫から成虫に美しく姿を変えることから女性の美しさを表していると言われています。また、読み方から「長」という意味で長寿の意味も込められています。
観世水(かんぜすい)
渦を巻く水の流れを表現した文様。
雪輪(ゆきわ)
雪の結晶をモチーフにした柄。
藤(ふじ)
古来日本では、藤の花の紫は高貴な色とされています。藤は繁殖力が強く、他の樹木に絡みながら伸べていくことから長寿、子孫繁栄の象徴とされてきました。また、「ふじ」は不二、不死につながることから、古くから名前や家紋にも取り入れられてきました。
終わりに
いかがでしたでしょうか?ご紹介したのはほんの一部の柄でしたが、見ているだけでも楽しくなります。
柄の意味を知っておくと、着物姿の人を見たときに「あ!あの模様は結婚式かな?」なんて想像できて楽しくなりますね。