ニットの風合い出し縮絨について。
- 編み・柄
- 投稿日:
- 2023-05-25
- (更新日:2023-05-23)
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こんにちは。
息子が幼稚園からゆるゆるとサッカーを続けているのですが
いよいよこの春から小6になり、週末は試合・大会のオンパレードで
私も息子の所属チームに同行し、ただひたすらに審判活動をしております。
小学校卒業までひっきりなしに大会が続く=すなわち審判も続きます…
特に夏場はプレーする側も大変ですが、審判は黒いウェアが熱を吸収し本当に地獄でして…
せめて倒れないように今から少しでも体力をつけて望みたいとおもいます。
さて、ニット製品には風合い出しが欠かせないのですが、
今回は縮絨加工について学んでいこうと思います。
縮絨風合い出し加工とは一般的には水洗い加工であること。
基本的な加工方法は、【軽縮】【縮絨】【強縮】と段階的に分かれ
基本的にお湯にて加工を施し、素材・編み組織・ゲージにより
適した加工方法をそれぞれ選択します。
【軽縮】の場合、梳毛紡績(防縮/未防縮ウール・シルク・カシミヤ混・レーヨン混)
膨らみとヌメリ感を重視した加工になります。
加工時間や洗濯機の回転数を抑えることにより
縮み(毛の絡み)や毛羽立ちを最小限にし、網目がスッキリ見えるようになります。
次に【縮絨】の場合、紡毛紡績で作られた素材
ウール・カシミヤ・アルパカ・獣毛混など…
工業用糸は糸切れしづらく編みやすくするために蝋引きがしてあったり
紡績段階で使用した紡績油や、羊などが元々持っている油分や匂いが素材に残留しているため
風合い出しを行う前に下洗い(洗剤)で余分な油分や汚れを洗浄してから
企画に適した風合い出し加工を施します。
縮みが入りふっくらヘアリーに仕上がっております。
【強縮】は洗う加工時間を長くし、毛と毛が絡み合う
縮む原理を利用して加工を施します。
加工時間を長くしたり、洗う時の水流を強くし摩擦をたくさん起こしたり、
水の温度を上げる、乾燥機の温度を上げる…など
これらの方法を糸の混率や形状、編み地の組織などの要素に合わせて調整していきます。
縮絨についてはおおまかに上記の3タイプの加工があります。
その他、湯通し(緩和収縮リフレッシュ)、ソーピング(洗剤入れ洗浄)
柔軟ソーピング(洗浄後に柔軟剤を加える)があります。
ニットの風合い出しは、使う素材、編地テキスタイル、使用する用途により
自在に加工を施すことができるのが魅力的ですね。奥深い!
それではまた。