トラブルシューティング第一回「斜行について」

  • 繊維と糸

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こんにちは、丸安毛糸の寺尾です。

ここ数週間で一気に夏らしい気温になってきましたね、、!

そんな夏をさらに激アツにする映画マイティーソーの新作が7月8日~公開されるので、是非皆さん前作などの振り返りをして映画館に行ってみませんか?!

マイティーソーの話は一旦置いておいて、ニットの製品を作る上でいつか遭遇するかもしれない問題の一つである「斜行」。

今回は斜行についての記事を書いていきたいと思います。

斜行とは

ニットで扱う糸の多くは双糸になっています。双糸は一般的な多くはZ撚り(右撚り)の単糸を逆方向S撚りで2本撚り合わせた状態を指しこの単糸の撚り(下撚り)と 双糸の撚り(上撚り)の回数のバランスが不均一だと左右どちらかの方向への編地の歪みが発生します。こちらでも斜行についての記載がされていますので是非ご覧ください。

撚った糸は元に戻ろうとする力が生じて画像の矢印方向に斜行する場合があります。

原因

原因はいくつもありますが、例えば上撚り(双糸にする際の撚り)バランスと度目の相性が悪かったり、リネン高混率の糸や、強撚糸に斜行が現れるケースが多い様です。

その他にも糸が作られた時の状況(気温、季節、湿度、ロット差など、、、)や、編み地が作られた時の状況など、複合的な条件が重なって発生しうるので一概に撚り回数の問題と一言で片付けられる様なことではないというのが斜行問題の深い部分です、、!

そんな斜行を敢えて発生させている面白い糸もあるので是非ご覧ください。

https://www.maruyasu-fil.co.jp/departments/monteluce/yarn-collection/784

解決策

そんな斜行の解決策なのですが、撚りバランスの問題の調査や、編み地での度目調整で解決することができます。度目調整ではニッターさんの度重なる調整によって斜行が起きにくいように試し編みで実験をしていく形になります。

一度過去に成功していて、同じ度目で再現したくても斜行が発生する場合は、工場様の地理的な気候問題なども含め包括的に検証、考える必要があります。

まとめ

本当に奥が深い斜行問題ですが、そんな斜行をうまくいなしてデザインに落とし込まれている製品も巷にはあります。

多くの場合は発生して欲しくないですが、捉え方次第で悪い面も良い面に転換することができるという考え方を斜行から学べますね。笑

今回のようにニットに関するトラブルをブログにてご紹介していきますので第2回を是非お楽しみに!

丸安毛糸株式会社はニットのOEMも承っておりますのでお気軽にご連絡ください。

素敵な編み地や素材、スタッフが皆様をお待ちしております。