アメリカ大手百貨店の第1四半期のレポートから見る需要の変化

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皆様、こんにちは。井野です。

前回は、アメリカでのECサイトの売上の変化の数字を追ってみましたが、今回は実店舗である大手百貨店TJ Maxx、Dillard’s、Macy’s、NordstromのレポートをForbesが追っていましたので、記事の内容を紹介します。

カジュアル服の売り上げ

まず、百貨店とは対照的なディスカウントストアやカジュアル服を扱う店の売り上げはどうなっているのでしょうか?第1四半期では、Walmartは-1.7%、Targetは+0.1%、AbercrombieとRossの店では-0.6%とかなり低い結果となっています。背景としては、インフラが続く中、消費者は余分な消費を抑えるために、低価格の商品を無駄に買うことがなくなったのではないかと分析されています。

リモートワークから出社による仕事の環境変化

2022年第1四半期の最も高い売り上げを占めた商品は、メンズのコートでした。理由を分析すると、コロナの影響で長い間リモートワークをしている中、コートを着る機会がない上、生活の変化で体型が変わった人が多くいるのではないかと言われています。そんな中、アメリカでは生活が以前のような日常に戻ってきて、会社へ出社する人が増えてきたため、新しいサイズに新調したコートを買う人が増えたのではないかということです。また、この生活の変化に伴い、転職をして仕事を変えた人々も多くいたため、新しい環境でフォーマルな服装を求められた人が多くいたのも理由ではないかと言われています。同様の理由で、女性のドレス(ワンピース)もよく売れたそうです。

イベントへの出席

また、突然、人々は卒業式やウェディングなど、イベントごとへ出席するようになりました。パンデミック中に婚約したカップルや、コロナの影響で結婚式を延期していたカップルが、雪崩込むように、今次々とウェディングを開催しています。ドレスアップに対する需要の高さは、今後も夏から秋のシーズンに向けても続いていきそうです。

まとめ

個人的な感想としては、インフレにより、無駄な消費を抑える傾向にあるのは予想できましたが、消費を抑える部分がカジュアル服で、少しフォーマルな服に対して消費が増えたのは、意外でした。しかし、理由を紐解いていくと、家に篭りがちだった生活から、外に出るようになった結果であることが分かり、改めてアメリカでは生活が徐々に戻ってきていることが分かり、面白いですね。それでは、また!