単糸で表記されてるけど斜行は大丈夫!?番手のお話~また続編~

  • 基礎講座

こんにちは佐野です!

番手の基本的なお話について、初心者向けとして何度かまとめてきました。

いくつかあるのですが直近の2回分を今一度載せておきますね。

さてさて本日はもう少しだけ踏み込んだお話です。

1/24、1/36といった番手表記を見た際、分数でいうところの分子の数字が“1”すなわち単糸表記だった場合、この糸斜行する!って思ったことはありませんか?

もちろん純粋な単糸がゆえに斜行するという考えもあるのですが、実はこれ、それだけではないんです。

双糸表記のルール

ちょっと遠回りになりますが、
2/48、2/36といった双糸表記をする場合は一点だけルールが存在します

それは、“同じ番手で紡績した単糸を2本撚り合わせること”言い方を変えると、“全く同じ糸を2本撚り合わせたとき”のみ、この双糸表記が出来ます。

まずはここをベースとして押さえてください。

単糸表記でも斜行しない糸とは

では本題です。

単糸表記で斜行しない糸とはなんでしょうか。

それは所謂“撚糸もの”と言われる、異なる糸を2本以上撚糸して出来上がった糸のことを言います。

丸安毛糸の素材で代表的なものは、セドル1/38リネンクロス1/32などがあります。

それぞれ詳しい作り方は省きますが、セドルは麻綿の混紡糸とポリエステルの糸として完成しているものを撚糸したもの、リネンクロスも同様にリネン100%の糸とナイロン100%の糸との撚糸です。

これらは全て違う混率、かつ違う番手の糸を撚り合わせるため、双糸表記をしてはいけないというよりは双糸表記をすることができず、総合番手という考え方で違う番手を足し算した結果の番手表記となっております。

そのため分子は単糸表記となるんですね。

話を戻しますと、単糸=斜行するという考えは、紡績糸の単糸=片方向のみに撚りがかかっている糸のため、編地も斜行してしまうという考えに基づいたものですが、
異なる糸を撚り合わせて作る糸は撚りバランスを設計して作られるため、結果的に双糸と同じで斜行しない糸が出来上がります。

ということが本日お伝えしたかった内容です。

、、、とはいえこの撚糸のときの撚りバランスが取れていないとそれはそれで斜行してしまうので、この辺りもお悩みの点かと思います。

糸づくりの難しさであり面白さでもあるのですが、、

まとめ

こんな感じで本日は異なる糸の撚糸をした場合の番手表記が単糸表記になるけど紡績の単糸とは違いますよというお話でした。

う~んまだまだ番手のお話を文章でお伝えするのは難しいですね、、、日々精進です。

それでは!