アメリカで一躍話題となったRent The Runwayとは?
- 海外情報
- 投稿日:
- 2021-09-01
- (更新日:2021-08-30)
ファッションが好きな人は誰しも、1度はお金のことを気にせずに、色々なブランドを試してみたいと思いますよね?Rent The Runwayはそんな人の要望を叶えるサブスクリプションサービスを提供して、アメリカでは一躍話題となりました。今回は、このRent The Runwayについて詳しく紹介していきたいと思います。https://www.renttherunway.com/
Rent The Runway設立の経緯
CEOであるJennifer Hymanは、妹がウェディング用のドレスに$2,000も支払ったのを知って、デザイナーズアイテムは購入するよりもレンタル出来た方が良いのでは?と思ったのが会社を始めるきっかけになったそうです。共同設立者である、Jennifer Fleissとはハーバード大学院のビジネススクールで出会い、お互いのアイディアを話し合ったり、キャンパス内でテストを行うなど試行錯誤の上、2009年にRent The Runwayを設立しました。
サービス内容
詳しいサブスクリプションサービスの内容は、月々$89で4アイテム、月々$135で8アイテム、月々$199で16アイテムを750以上のブランド(Hugo Bossのブレザー、Marc Jacobsのミニバッグ、Saint Laurenのサングラスなどなど)から選んでレンタル出来ます。しかも、会員である限り返却期間は問わない上に、気に入ったアイテムはそのまま買い取ることも出来ます。月々一定額を払ってしまえば、数多くあるアイテムの中から好きなものを選べるシステムは、従来のレンタルサービスと比べると遥かに画期的でした。また、どんどん新しい商品を消費していくのではなく、必要なシーンで使用した後に不要になった商品を返却出来るレンタルサービスは、サスティナビリティな考え方が求められる今の時代の需要にも見事にマッチした様に思います。そのおかげか、2016年には$100million($1=100円として計算したら、100億円)の収益を出す程になりました。
コロナの影響を受けてから
コロナが広まってからは、ファッション業界全体が大きな打撃を受けましたが、Rent The Runwayも例外ではありませんでした。イベントがコロナの影響で続々中止になり、着飾る機会がなくなったことで、会員の75%がキャンセルをしたりアカウントをストップしたりしてしまいました。コストカットを始めとした様々な取り組みをして乗り切りますが、彼女のビジョンはそれだけに留まりませんでした。”We weren’t going to let 2020 go to waste. The pandemic was terrible, but also a time for creation and creativity.”(2020年を決して無駄にはしません。パンデミックは確かに酷いものでしたが、創造とクリエイティビティには最適の年でした。)
その甲斐あってか、ニューヨークやロサンゼルスなど、アメリカの都市が次々と動き始めた時には、Rent The Runwayの会員数もコロナ以前と同じぐらいに回復したそうです。
新しい取り組み
人々が動き出して、消費行動がこれから増えていくだろうというタイミングに、Rent The RunwayはResale(小売業)を行うと発表しました。会員の人がRent The Runwayで取り扱っている商品を買い取ることは今まででも可能でしたが、それを一般の人にも公開することで、ハイブランドの数々をRent The Runwayから古着として買い取れる様になります。レンタルサービスの世界的市場価値が$2billionと言われているのに対して、Resaleの市場価値は$70billionにも及び、その内のFashion Resaleの市場価値は$33billionと言われています。Rent The Runwayは、Fashion Resaleの市場に入り込むことで、ビジネスの場をぐっと広げることになります。同じ業界やフィールドに留まることなく、根拠を持った上で市場を広げている様子を知ると、さすが急成長した会社だなと納得させられます。
https://www.cnbc.com/2021/06/02/rent-the-runway-enters-33-billion-fashion-resale-market-.html
まとめ
衣服のレンタルというと、これまではあまり洗練されたイメージはなかった様に思いますが、Rent The Runwayのウェブサイトや実店舗の写真など見てみると、モダンで洗練された雰囲気が漂っていました。また、サブスクリプションサービスを取り入れることで、”日常的に色々なアイテムを試したいけどお金がなくて出来ない!”という、まだ他社で実現出来ていない多くの人の要望を、叶える形になったと思います。それを実現出来たのは、常にトレンド、市場の動き、消費者行動のリサーチや分析を怠らずに行っているからではないか?と思いました。(こうした特徴は、急成長しているe-commerceの会社に多く見られる気がします…)
こうした会社のビジネスの方法を知ると、勉強になることが多いと思いますので、また面白い会社がありましたら、紹介していこうと思います。それでは、また!