織物の製造工程について
- 基礎講座
- 投稿日:
- 2021-07-14
- (更新日:2021-07-08)
冒頭の写真は現在行われているツールドフランスという22日間でフランス一周という世界一の規模の自転車レースです。この写真はゴール前なので時速約70km出ているんですよ!深夜なのでリアルには見れないですが録画が週末の一番の楽しみです!
ところで先日我が家にもついにワクチンの接種券が届きました。
接種はまだまだ先の様ですが、オリムピックと合わせてどんどん前向きな気持ちになって行きますね!
何も気にせずに買い物を思いっきりしたくてウズウズしている日本人は全国に一杯いらっしゃるそうです!
コロナ後の好景気を目一杯楽しみにしていましょう!
それまでは予防を徹底して自分の事は自分で守るしかありませんね!
さて今回はニットの対極である織物について前回ご説明しましたが、今回は引き続き、織物はどういう工程で作られているのか?を御説明させて頂きます。
まず糸を作るところまではニットと変わりません。(撚り回数など細かく言えば違います)
天然繊維(毛、綿、シルクなど)、合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル)など色々な原料が織物になって行きます。
日本全国に織物の産地は有りますが、綿織物と毛織物(または合繊)で何でも得意とする産地はなく、設備も違う事から産地毎にで大きく分かれています。
織布工程
製織とは経(たて)糸と緯(よこ)糸を一定の組織に従って交差させて所要の布を織り上げていくことです。
この織り上げていく機械を織機といい、まず経糸と緯糸を織機に掛けるための準備を行います。
整経
チーズコーンを整経機に仕掛けて所要本数の整経ビームに規定長、規定糸本数を一定テンションで巻き取ります。これを整経と呼びます。(写真の大きな巻き取り部分がビームです)
糊付け(のりつけ)(サイジング)
糊付け前 糊付け後
織物の経糸総本数となる様に整経されたビームを何本も重ね合わせ糊付け乾燥してビームに巻き取ります。
強度アップ、耐久性アップ、平滑性アップ、毛羽減少が目的です。
経通し
ビームを織機に仕掛けられる状態にするためにドロッパー、ヘルド、筬(おさ)の順に経糸を通します。
製織工程
織機(織り前側)
織機(経糸ビーム側)
経糸準備を終えたビームを織機に仕掛け以下の5つの主運動によって織物が織り上げられます。
1.開口運動・・・経糸を上下に広げて緯糸が入る様にします。
2.緯入れ運動・・開校した経糸の間に緯糸を通します。
3.筬打ち運動・・緯入れした緯糸を筬で糸と織物との境界まで押し込み、縦糸と交差させます。
4.送り出し・・・奥のビームにまかれた経糸を送り出します。
5.巻き取り・・・織り上がった布を手前のクロスビームに巻き取ります。
検査、折り畳み
織り上がった織物を検査し、折り畳み、必要に応じて欠点個所を直し、A~C反に各付けします。
カットソーと違い、織物は織り上がった状態が平面なのでそのまま巻き取られてゆき、整理工場へ出荷されていきます。
その後整理工場では様々な加工(起毛、縮絨、染め、つや出しなど)が行われて正式な反物として縫製工場へ出荷されていきます。
そういえばフォーマルの黒を出す為に一度赤に染めてから黒に染めるってご存知でしたか?
そのほうがより真っ黒になるそうです!
さて如何でしたか?最後まで読んで頂きまして有難うございました!
引用元 http://www.mizobata.co.jp/sizing
https://www.kkurose.co.jp/service/tateami/seikeiki.html