TPS縫製について

  • 基礎講座

これは先日(1月末)の湘南七里ガ浜からの富士山です!いつも富士山ばかりですみません!)寒い朝だったので空気が澄んで素晴らしい眺めでした!

緊急事態宣言も延長され、まだまだ予断を許されない状況ですが、皆様如何お過ごしでしょうか?

前回(昨年)と違い、お客様の中には5割以上の自宅待機となっている会社も有り、また何も変わっていない会社も有ります。

また通勤電車も空いている日も有り、混んでいる日も有り、会社により対処が一定していません。

弊社は通常業務と変わりありません。

さて今回のブログは先日ブログに書いたところ、お客様より問合せを頂きましたTPS縫製について深堀したいと思います。

TPS縫製とは?

まずTPS縫製とはTWIN PLOVER SEEMの略で㈱ゴタリオ社が特許を持っているミシンを使用して縫製される縫製の名前です。(縫製には特許使用料が必要となります)
その為に海外には有りません。

その特徴は、生地を付け合わせて千鳥縫製するために、全く生地が重ならない状態で縫製が出来るのです。

その結果、表、裏に縫い代が全くない縫製となる事から、縫製面の厚みもなく、軽さ、着心地の向上、見た目の高級感が特徴となります。(フラットシーマの場合は振糸が多い事からカジュアル衣料に多用されています)

また縫製面の引っ張り強度も強く、メンズJK,CTに使用できる強度を備えています。

縫製でのいせ込みなども可能な為に、一重でJK、CTを作ったり、パッチワークなども凹凸なく作成する事が可能となります。

縫製する上での注意点

注意点はTPS縫製は布帛では不可能です。千鳥ミシンで止める為に縦横に別糸で織っている布帛生地では

生地のす抜けに繋がり、強度が弱くなり製品化できません。

ニットのループを引っかけて編めるカットソーのみの縫製仕様となります。(横編み生地では仕様により可能)

裁断が非常に重要

縫い代が無いという事は、裁断したそのまま縫製する事になり、ごまかす事が出来ません。

通常、裁断時にはノッチを付け、縫製する相手の生地との距離を合わせます。

ノッチ

TPS縫製では、隠す部分(縫い代)が無く、ノッチを付ける事が出来なくなるので難度が上がるのです。

その為にノッチの代わりにチャコを手付する必要があり、手間も非常に掛かる事に繋がります。

その手間が市場へTPSが溢れず、希少価値のある理由かも知れません。

このような工程を経てTPS縫製は製品化されます。

 

弊社ではニット(横編み)だけでなく、このようなカットソーの特別仕様もお受けしております。

ではまた!

 

画像引用元 http://tsmi-ysm.co.jp/tps/
http://www.burns-factory.co.jp/