昔のサイクルロードレースウェアはウールだったの?
- ニット製品
- 投稿日:
- 2020-12-14
- (更新日:2020-12-08)
皆様、すっかり冬らしい季節となりました。寒く感じる日も増えてきましたが、如何過ごされていますでしょうか?この写真は先日紅葉狩りにロードバイクで奥多摩まで足を延ばした際の一枚です。タイミングばっちりのサイクリングでした。
ところでコロナ化も第三波到来という事でGO TO トラベルやら自粛やら一体どうしたら良いのか?
全く分かりませんが感染対策を徹底して自分で自分を守っていくしか無さそうです!
ところで今回はスポーツの中でもハードで汗も大量にかく、サイクルウェアについてお話ししたいと思います。
そのサイクルウエアにニットが使われていたという事を御存知でしょうか?
現在の自分の唯一の趣味であるサイクルロードレースウェアというむっちゃ絞り込んだテーマに特化したいと思います!
サイクルウエアの素材の歴史
サイクルロードレースと言えば日本ではなじみのないスポーツですが、ヨーロッパではメジャーなスポーツです。ツールドフランスと言えばご存知の方もいらっしゃるかもしれません。約20日掛けてフランスを一周するようなロードレースなのですが、一日200KMは当たり前で3週間走り続けます。1日数キロの汗をかきます。
その為のウエアなので機能性が必要です。汗だくの状態から汗を早く乾かす速乾性が必要となる訳です。
1920年代~1950年代までのサイクルウエアの素材としましてはウールが最も使用されていました。
この時代はパンクした時の為にチューブも自分で持っていますね!
皆さんもビックリされると思いますが、(私も初めて聞いたときはビックリ!)化学繊維を作れなかった時代に軽さ、発汗性を最も持った素材はウールでした。
肌着の代表格は綿ですが、軽さ、発汗性という点では綿は全くウールに及びません。汗をかくと水分が浸み込み、重さとなってまた速乾性もなく、水分を含んだままとなってしまいます。
その軽さ、速乾性に優れたウールをユニフォームに使用し、伸縮性を持たせるためにニット素材でサイクルユニフォームがが作られていたのです。
ただ当時のウールは現在の様に色々な加工が開発されておらず、汗をかくと痒いという点がデメリットでした。
1950年代になり始めてデュポン社からアクリル(ウールに似せた化学繊維)が登場し、サイクルウエアにも使用され始めました。ウール*アクリルを経てアクリル100%が使用され始め、ウール100%のユニフォームは姿を消して行きました。その後合繊のジャージー(丸編み)に変遷を遂げ、現代に至っています。
その後、合繊(特にポリエステル)のジャージーが最も汗の速乾には、機能が良く広く認知されてきています。
ただし合繊のウエアでは汗冷え(汗が蒸発する際の冷え)も激しく、冬のサイクルウエア、登山用のインナーも含めてウエアには最近、ウールが汗冷えも少ないという事で最近再注目されています。(以前とは異なりチクチクしない加工をされています)
ただ現在にもウールニットのユニフォームはヴィンテージとして人気が有り、レプリカが多く生産されロードバイク乗りの趣味人に受け入れられています。
皆さま如何でしたか?
今回はサイクルロードレースウエアという非常に絞り込んだ内容でしたが、最大限の機能を要求されるサイクルウエアにおいて最近、天然繊維であるウールが再注目されているとは非常に面白い点でした。
ではまた お会いしましょう!
画像引用元 https://www.jsports.co.jp/cycle/about/introduction/