ファンシー・ヤーン(意匠糸)
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2020-11-02
- (更新日:2020-11-19)
皆さんこんにちは~。
11月に入りましたね。最近は朝晩がめっきり寒くなって秋を感じる今日この頃です。
気温13~19℃がニットを恋しくなる温度だそうです。ニットの季節到来って感じですね。そしてニットと言えばファンシー・ヤーン(意匠糸)という事で今回はファンシー・ヤーン(意匠糸)について紹介したいと思います。
ファンシーヤーン(意匠糸)とは?
一般にファンシー・ヤーン(Fancy Yarn)と呼ばれるものは「変わり糸」すなわち「変わった形状を持った糸」の事です。
これらファンシー・ヤーンは大きく分けると四つに区分されます。
①撚糸技術を基としたファンシー・ヤーン
②紡績技術を基としたファンシー・ヤーン
③紡績と撚糸を駆使したファンシー・ヤーン
④二次加工によるファンシー・ヤーン
ファンシーヤーン(意匠糸)の種類
①撚糸技術で作らけるファンシー・ヤーン
{リング、カベ、ブークレー、ループ、ポーラー、コード、ツィード杢、ノット、カール、リリヤーン、モール、ストレッチ他}
②紡績技術で作らけるファンシー・ヤーン
{スラブ、ネップ、コアスパン他}
③紡績と撚糸を駆使したファンシー・ヤーン
{トライスピンによる紡績ブークレーやループ、タムタムヤーン、吹付ヤーン、紡績リリヤーン他}
④二次加工、その他によるファンシー・ヤーン
{エアー混繊、仮撚り、ギマ(疑麻)加工、コンニャク加工、絣染、スペック染他}
ファンシー・ヤーン(意匠糸)の分類は下記図を参照下さい!!
意匠撚糸とは
意匠撚糸は一般的に、太さ、形態の同種、または異なる3本以上の糸を使用してこれら糸の供給速度や撚り数を変えたり組み合わせることにより作られた形状と風合いを有する撚糸で出来た糸のことを言います。
1.意匠撚糸の糸の構成
A.芯糸(糸の基本となる糸で、強度、伸度が要求される糸です)
B.弛糸(飾り糸と言われ形状を作る糸です)
C.押糸(弛糸の形状がくずれない様に押さえ止める糸です)
2.撚りの構成
A.中撚り(芯糸と弛糸とを合わせる撚りかたです)
芯糸と弛糸とで撚られ、ファンシー・ヤーンの形状をつくる糸です。
B.上撚り(押糸をえかける時の撚りです)
中撚りで出来た形状を押糸を用いて保持、安定させる撚りとなります。
意匠撚糸の分類
1.リングブークレー系
●ポーラー
●リング
●ブークレー
●ループ
●カール
2.スレット系
●ノット
意匠糸を作る撚糸機(リング式撚糸)
下記図がリング式撚糸機=意匠糸を作る主要な撚糸機です。
糸を送り出すためのローラーが2本あり、フロントローラー、バックローラーの2本のローラーより別々の速度で送りだされた糸にスピンドルの回転により、撚りが加えられながらリングにつけられたトラベラーを通ってボビンに巻きとられる撚糸機なんです。
それぞれのローラーの速度比を変える事により芯糸と弛糸の撚り合わさる角度を種々のガイドを変えることにより形状の変化をさせる事ができます。
皆さん如何でしたか??
ほんの一部ですがファンシー・ヤーン(意匠糸)はこんな感じで作られています。
糸って本当に面白いですよね~。
ではまた~!