ニット原料を知るともっと製品作りが楽しくなる(コットン編パート2)
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2014-11-28
- (更新日:2020-06-27)
秋も深まり、寒さも少しずつ厳しくなり、吐く息も白くなって来ました。 コートを着られている方も増えているようです。 冬が近づくのと一緒に、町はクリスマスの飾りが増え来ています。 こんにちは、丸安毛糸の田崎です。 今回もお付き合いをお願いいたします。
今回は、前回に続き綿に付いて書いていきます。
前回は、①綿の品種、②綿の特性と性質、③綿の欠点に付いて書きましたので、今回は、綿糸に付いて書いていきます。
基本的な綿糸の種類
1、カード糸 綿の糸を紡ぐ時の基本的な工程の流綿工程(カード)で作られた普通な綿で、やや不均等な糸です。 使用される原料は中繊維綿(20番手まで)、中長繊維綿(50番手まで)のわたを使います。 2、コーマ糸 カード糸を作る時の流綿工程の後に、均一の繊維にする精紡工程(コーマ)を経て作ります。 精紡工程をすることにより、糸ムラが少なく、強度が増し、光沢のある上質な綿糸になります。 使用される原料も良く、長繊維綿(80番手まで可能)、超長繊維綿(80番手以上が可能)のわたを使います。
コーマ綿
3、ガス焼綿 糸の表面の毛羽をガスや電熱で焼きます。 表面がきれいで、滑らかな綿糸になります。 4、シルケット綿 光沢を持たせる加工で、綿糸を苛性ソーダ液で処理をすることにより、表面の凹凸がなくなります。 持続性のある光沢ができ、きれいな色が出ます。 5,擬麻加工綿糸 ビスコースやこんにゅくの糊剤で処理をして、麻のようなハリと感と風合いを持たせる加工です。 綿に加工をするので、本来の麻より安価で麻の感触を楽しめます。
ビスコース擬麻加工
こんにゃく加工
新しい綿糸の種類
1、コンパクトスパン綿糸 コンパクトスピニングという新型の紡績機で作られた綿糸です。 特徴としては糸の表面の毛羽を従来の糸に比べ、80%以上抑え滑らかになり、糸が丸く均一性になりました。 高価な原料を使わずに紡績が出来るので、コストダウンにもなります。 2、中空綿糸 糸の中心にポリビニルアルコール繊維のわたを入れて糸にし、染色時に温水でポリビルアルコールを溶かして取り除きます。 糸の中心が空洞になり、見た目は同じように見えますが、従来の物より軽く、バルキー性、ソフト感が増します。
まとめ
綿の原料は世界の各国で栽培をされ、品種の違い、風土の違いによって特徴に違いがあります。 紡績方法や糸にした後の加工によってさまざまな糸に変化をしていきます。 これら事を理解をしてデザインに合った糸をお選び下さい。 最後までお付き合いを頂きありがとございました。 次回もよろしくお願いいたします。