海洋ゴミで問題になっているプラスチックってリサイクルされているんでしょうか?
- 生活に役立つ豆知識
- 投稿日:
- 2020-07-17
- (更新日:2020-07-21)
画像引用元https://lessplasticlife.com/plastics/trash-recycle/why-are-plastic-recycling-rates-so-low/
皆様、如何お過ごしでしょうか?梅雨真っ盛りに今回のブログを書いていますが、現在は東京のコロナ患者が連日200人を超えており、またもや非常事態宣言か?いやまだまだと連日マスコミが感染者数を追っ掛けています。
ブログがアップされる10日後の予想も全く出来ないような日々が続いています。一体どうなっているのでしょうか?
私たちは出来る事を粛々と進めるだけですね!皆様、体調を崩されませんように祈っています!
ところで今回は、サスティナビリティでも問題となっている、<海洋ゴミ>の主役である<プラスティックゴミ>のリサイクルについて調べてみました。
7/1からレジ袋も有料化となりましたプラスチックですが、世界的に低コスト、腐食しない、軽い、形の加工が簡単など様々な理由で使われています。
皆様も分別して廃棄しているので、日本ではちゃんとリサイクルされていると思われていませんか?
色々調べてみると、思っていたのとは全く違う現実が見えてきたんです。
実際のリサイクル率は最後に明記しますが、色々な原因でリサイクル率は低く留まっています。
それは何でリサイクル率は低いのでしょうか?
ここではリサイクル率が上がらない5つの理由を挙げていきます。
画像引用元https://lessplasticlife.com/plastics/trash-recycle/why-are-plastic-recycling-rates-so-low/
1.コストと劣化
本来プラスチックは細断し、溶かすことで新しいプラスチックとなります。しかしリサイクルされたプラスチックが同じ商品として生まれ変わることは、ほとんど有りません。
透明なボトルから透明なボトルを作ることは非常に難しく、リサイクル途中で不純物が混じり、質が落ちます。PETボトルのリサイクルではほとんどはぬいぐるみの中綿やポリエステル繊維となります。
2.同じ素材を集める必要がある
一言にプラスチックと言っても様々な材質が有ります。プリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどです。
各素材を一緒にリサイクルは出来ないのです。一緒に捨てられるこれらの材質を、人力で分別する必要があるのです。海外では材質ごとに分かり易くするためにナンバーを振っていたりしますが、破片となってしまうと識別は難しくなってしまいます。
3.複合樹脂の問題
またプラスチックが単一でなく複合素材で有ると更に難しくなります。
日本ではプラスチックを複合素材で作ることが多く、これもリサイクルを難しくしている理由の一つです。
4.汚れ
食品容器の場合、食品の油などで汚れており、洗浄の必要が有ります。匂いも有ります。プラスチックは、疎水性が高く、油が付きやすく落ちにくいのです。御家庭でもタッパーの油汚れは非常に落ち難いものですが、コンビニで発生するような弁当容器をいちいち洗う事は、大量過ぎて現実的では有りません。
5.添加剤の問題
プラスチックを作る段階で、柔軟性や耐久性を出す為に様々な化学物質が加えられています。添加剤には有害なものが多く、これもリサイクルを困難にする原因の一つとなっています。
以上5つが日本のプラスチックのリサイクル率を高くできない主な理由です。
このような理由でリサイクルされずに焼却や埋め立て地処理に回されているのが現実です。
画像引用元https://lessplasticlife.com/plastics/trash-recycle/why-are-plastic-recycling-rates-so-low/
ではリサイクル率は一体どれ位なのでしょうか?
リサイクルが高い(意識が高いと言われる)EUで30%、米国で9%に留まります。
では日本ではどうでしょうか?
日本ではリサイクル率として82%という高い数値を挙げています!!
ただその中身は?
2013年に日本では年間940万トンの廃プラが発生しました。このうち67%が焼却され、リサイクルが約25%、埋め立てが8%とされています。
焼却された67%を見ると10%は単純に燃やされ、57%は燃やした熱を再利用(熱回収)しています。
この熱回収を日本ではサーマルリサイクルと呼び、リサイクルの一つと位置付けています。
熱回収57%+リサイクル25%=82%というリサイクル率と発表しています。
ただこの(サーマルリサイクル)熱回収は国際的には、リサイクルと認められていません。
また純粋なリサイクル25%にも裏が有ります。そのうち70%は海外に輸出し、輸出した先でリサイクルしています。という事は25%*30%=実質7.5%しか国内でリサイクルされていないのです。
ただこれも近年大きな変化が有り、2018年に中国がプラごみの輸入を全面的にストップしました。これは中国ショックと呼ばれ、その後、国内に年間50万トンのプラごみが溜まっている現状です。
画像引用元https://lessplasticlife.com/plastics/trash-recycle/why-are-plastic-recycling-rates-so-low/
まとめ
海洋ゴミの再生繊維から、ニット製品が出来ないか?という所から色々調べている途中に、プラごみのリサイクル問題に行き着きました。結局国内(家庭)でここまで分別しているにも拘らず、結果的に国内ではほとんどリサイクルされていないという現実は、色々と考えさせられました。
また7/1よりレジ袋の有料化が始まりましたが、レジ袋はプラごみに占める割合は0.3%程であり、ごみ削減への効果はほとんどないのが現実です。レジ袋有料化にも現在色々な裏が囁かれており、不可解な事だらけですが、最終的に手間をかけた分別ごみが一緒に焼却されているという現実には、ガックリです。
コロナ禍で世界的にプラごみ容器が増えているという現実も有ります。
一日でも早くプラごみの国内での処理について解決策が見つかる事を祈ります。
今回はモヤっとした終わり方ですが、社会的な問題にも取り組んでいけたらと思います。
終わりまで読んで頂き有難うございました。
ではまた!