ニットの縮絨って、どんな加工なの?
- 加工
- 投稿日:
- 2014-03-07
- (更新日:2024-04-02)
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こんにちは、丸安毛糸の寺尾です。
2月でも関わらず、もう春を感じる気温の日がチラチラと、、、ありますね。
その影響で例年より花粉の飛ぶタイミングがかなり早く、鼻水と涙で洪水状態になりながらこのブログを書いています、、、
今回は縮絨についてご紹介致します。
縮絨風合い出し加工とは?
一般的には、水洗い加工であること。
基本的な加工方法は、●軽縮、●縮絨、●強縮と、段階的に別れ、基本お湯で加工を施し
素材、編み組織、ゲージによって、適した加工方法をそれぞれ・・・選択する。
例えば、●軽縮の場合、梳毛紡績(防縮/未防縮ウール)(シルク、カシミヤ混、レーヨン混)であったり、
膨らみとヌメリ感を重視した加工になります。 ようするに加工時間や、洗濯機の回転数を抑えることで
縮み(毛の絡み)や毛羽立ちを最小限にする。 編目がスッキリ見える↓ ↓ ↓
次に、●縮絨の場合、紡毛紡績で作られた素材ウール、カシミヤ、アルパカ、獣毛混etc
紡績段階で、使用した紡績オイルが素材に残留しているので、風合いを出しを行う前に
下洗い(洗剤で)、余分な油分や汚れを洗浄してから、企画に適した風合い出し加工を施します。
縮みが入り、ふっくら、ヘアリーに仕上がってますね↓ ↓ ↓
さて、●強縮は、洗う加工時間を長くし、毛と毛が絡み合う縮む原理を利用して加工を施します。
強縮はどんな素材でもできるわけではありません。
主にウール(羊の毛)の特徴を利用した加工方法のため、ウールが入った糸の中でも未防縮という糸を使う必要があります。
ウールの毛は表面がスケールと言ってうろこ状になっているのですが(人間の髪の毛と同じような感じです)、洗い加工(縮絨)をするときに摩擦や熱を加えることで、そのスケールが引っかかり繊維が絡み合います。
そうすると編み地は縮み、どんどんフェルトのような状態に近くなっていきますが、これを意図的に作る方法が強縮です。
強縮条件の要因
- 加工時間を長くする
- 洗う時の水流を強くし、摩擦をたくさん起こす
- 水の温度を上げる
- 乾燥の温度を上げる など
これらの方法を、糸の混率や形状、編み地の組織などの要素に合わせて調整していくのが、加工を扱う会社のノウハウです。
日本では、加工を専門に行う会社に依頼することも多く、多くの知識と経験を持っていて、私たちもいつもお世話になっています。
左側が強縮加工を施したハンガースワッチ、右側は軽縮加工を施したスワッチで、もとになっている
編地は同じものですが、加工方法だけで、これだけの違いができるのです!
強縮は編み地にたくさん変化を与えるため、微妙な変化の差が出てきやすいという側面もあります。
たった5分の差や妙な温度の差で加工が強くかかりすぎてしまったり、変化が大きい分、加工が強くかかっているところ、かかっていないところとムラが出てしまったりすることもあります。
ニットで気をつけなければいけないことは、縮みが激しい分、編み地が歪みやすかったり、サイズが一定に上がりにくい点から成型ができないということです。
編み上がったままの繊細な鋭角の形は保てません。
強縮を行う場合はある程度カットを前提に考えましょう。
その他、よく耳にするのが、●湯通し(緩和収縮リフレッシュ)、●ソーピング(洗剤を入れ洗浄)、
●柔軟ソーピング(洗浄したあとに柔軟剤リンスを加える)
とあります。
まとめ
ニットの(縮絨)風合い出しって、使う素材、編地テキスタイル、使用する用途で、自在に加工を
施すことができるのが魅力的ですね!
そんなニットの魅力、加工を施していただけるメーカーさんは
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