ニットの目立てとは|ニットらしさを表現できるテクニック
- 編み・柄
- 投稿日:
- 2024-02-01
- (更新日:2024-01-26)
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こんにちは、八木です。
今回は、ニットの”目立て”について解説したいと思います。
ニットの目立てとは
成型の増減をするときなどに作られる編み目です。
端目が真っ直ぐになる(目が通る)ことで、縫い目のガタツキや縫い代のガタツキをキレイにすることができ、さらに、特徴的な仕上がりになるので、ニットらしさを表現することが出来ます。
写真の矢印がさしているところ、編み目の線が回りと異なって、真っ直ぐに通っているのがわかりますでしょうか?
これが目を立てている状態です。
ニットの目立てをする意味
目立てをするとどんな効果があるのでしょうか?
目立てをすると、パーツ同士を真っ直ぐに接ぐことができ、全体として綺麗に見えやすいという効果があります。
成型は、下記の様にパターンの形に合わせて編むことで、写真のような感じ。
目立てをしている部分と、していない部分(端減らし)で、編地の端の仕上がりに差があるのがわかると思います。
ニットを縫製するリンキングは、1目1目を針に刺して縫っていくので、目が真っ直ぐであれば、縫い代も一定の巾でとりやすく、結果仕上がりも真っ直ぐ綺麗にすることが出来ます。
また、”ニットらしさ”を表現するデザインでもあります。
成型の袖ぐりや衿ぐりもそうですし、よりデザイン的に使う事も多いです。
こういった柄、見たことありますよね。
編地のデザインとしてインパクトも大きく、ローゲージの畦編みなどで使うと効果的です。
色々なリブ
目立ての具体例を紹介したいと思います。
天竺の目立て
目立てをしているのは、矢印のところです。↓
身頃の袖ぐりと衿ぐりは成形しているので、減らしの部分を目立てしています。(内減らしと言います)
この天竺で目立てを入れないと、袖と身頃の接ぎ線ががたつきやすく、工場側もリンキングしにくいので、入れることが自然です。
目立ての巾は細かったり太かったりと様々ですが、個人的な印象としては、太い方がよりカジュアルで若い雰囲気になると思います。
リブの目立て
リブの目立ての場合は、リブの巾に合わせて目立てをすると編地のバランスが取れて綺麗です。
なので、指示するときは、リブ○本分目立てと書くと良いと思います。
畦編み
畦は編地の目も立体的で、しっかりと柄が出るので、目立てを目立たせやすい組織です。
よりデザイン性を強調出来るため、目立ての巾は太く入れるのがおすすめです。
後ろ肩減らしの目立て
後肩減らしも目立てをすることがほとんどです。
肩減らしも角度によって引き返しか減らしをしますが、端目ががたついてしまうので、目立てをすると綺麗に仕上がります。
その他
総針ゴム地やミラノリブなどの組織は、機械によって対応できない/時間がかかりすぎて現実的でない、という事があります。
総針やミラノリブの場合、編み機の針全部に糸がかかっているので、少しづつ糸を移動させながら目立てをする必要があり、1コース編むのに何回も機械を動かさないとなりません。
と言っても文章ではなかなか伝わりにくいので、ざっくり時間がかかるものだと思ってもらえれば大丈夫です。
そして、時間がかかるという事は加工費も高くなってしまうので、場合によって判断が必要です。
総針、目立て無し↓
目が詰まっているので、スッキリとして目立てが無くても綺麗に仕上がります。
ニットの目立てを指示する方法
指示するときは、絵型にファッションマークを書き込み、目立ての指示を添えます。
こんな感じ
指示の書き方に大きく2パターンあります。
ひとつは目数を指定する場合。
主にローゲージの場合、【2目立て】とか【3目立て】などと書くことが多いです。
ふたつ目は、巾を指示する場合。
主にハイゲージの場合は、【〇㎝分目立て】と書くことが多いです。
その方がデザイン的なイメージは伝わりやすいと考えています。
目立てが出来ない場合
編地の組織的に目立てが出来ないものがあります。
接結(ボンディング)、スムース編みなどです。組織の特性上と覚えておいてもらえばと思います。
まとめ
細い目立てや太い目立てなどの巾だけでも印象が変わるので、少し工夫してみるとシンプルなデザインもより良くなると思います。
参考になれば幸いです。