衿から広がる幾何学模様が特徴のロピーセーター
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2020-06-01
- (更新日:2020-06-27)
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皆さんこんにちは。
はやくも6月に突入ですね~。
6月といえば「さくらんぼ」ですが今年の冬は温かかったのでどんなお味になっているかとても楽しみです。
季節はこれから夏に向かって行きますが編み物好きな方々は早くも秋冬物用としてウールの糸でセーターを編み始める準備に入られているかと思います。
今回はそんはそんな冬を待てない編み物好きな方に「ロピーセーター」の紹介です。
「ロピーセーター」
「ロピーセーター」は北極に近い氷河の多いアイスランドのセーターです。ヨーロッパ最大の氷河が出来る場所としても知られていて「氷の国」とも言われています。
アイスランドは9世紀頃、ノルウエーからヴァイキングが移り住んだのがきっかけで出来た国です。又、スコットランドやアイルランドからも多くの人々が移り住みアイスランドの「ロピーセーター」はその人達が持ち寄ったことで「フェアアイルセーター」や「アランセーター」などの編み物文化が合わさってできたセーターなんです。
アイスランドの羊
アイスランドの羊達は氷河が流れる極寒の地で生き抜くために2種類の毛質となっています。内側の毛質は肌を守るために暖かくてとても柔らかくて軽くなっています。それに比べて外側の毛質は内側の毛を守るかのように太く長く、水を弾く丈夫な毛質となっています。そしてこの2種類の毛を混ぜることによって軽くて柔らかく暖かい、水を弾く丈夫な糸となります。
「ロピーセーター」のロピーとは?
アイスランドでも昔はシェットランド諸島と同じ様に、羊の毛は刈るのではなく手で摘んでいました。普通はこの摘んだ毛を梳いたのちに糸車などで紡いでいくのですが、アイスランドの人達は糸車にかける前に手で引き伸ばし太いロービング状の糸として紡いでいました。この状態をロピーと呼び撚りの掛かった糸になる前の段階なので軽くて柔らかくて暖かいのです。
そして1920年代にこのロピーを使って編まれたセーターが「ロピーセーター」なんです!!
1/1.2 イーグル(ウール100%)は手紬風の糸なので手編みには最適です。
「ロピーセーター」とは!
「ロピーセーター」は5本程度の針を使って丸く筒状に編んでゆく丸編みの手法で編まれています。首回りに模様が編み込まれている、丸ヨークのセーターで広く知られています。この丸ヨークの模様はアイスランドの西に位置するグリーンランドの工芸品であるビーズの肩掛けをまねたと言われています。又、編み上げられた「ロピーセーター」はナベナと言うトゲの沢山ある植物の実を使ってセーターをひっかいて起毛させることにより、より一層毛足の長い柔らかくて暖かな加工を施しているようです。
「ロピーセーター」の特徴
「ロピーセーター」は衿から広がる幾何学模様となだらかな肩のラインが大きな特徴です。
「ロピーセーター」今風なアレンジ
衿から広がる幾何学模様をレース調に編んで表現するのも今風なアレンジではないかと思います。
皆さん「ロピーセーター」のことは何となくわかって頂けたでしょうか?!
手編みのセーターってやっぱり温かみが有って良い感じですよね~。
手編みの文化はこれからも私達か少しづつでも伝承して行かなければいけないことの一つであると改めて感じました。
ではまた。