斜行糸 SZ糸(S撚り・Z撚り)の編地紹介
- おすすめ素材・糸
- 投稿日:
- 2023-10-05
- (更新日:2023-10-02)
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こんにちは、八木です。
今回はニット特有の、斜行する糸についてお話をしたいと思います。
斜行とは
“斜行”とはニットならではの現象で、編地が歪んでしまう現象です。
“斜行” または “斜向”と書きます。どちらが正しいのかと聞かれますが、ニット業界の言葉なので、どちらでも通じます。
なぜ斜行するの?
糸の撚糸のバランスが悪いと斜行します。
ニット糸で扱う糸の多くは双糸になっています。
糸には Z撚り(右撚り)と 逆方向のS撚り(左撚り) があります。
この 撚り回数を片方に強く撚ると、左右どちらかの方向へ編地が歪んでしまいます。
これが斜行です。
斜行してしまう糸は天竺では斜めに編地が上がってしまうので使いづらいと思われるかもしれませんが、使い方で面白い編地になることもあります。
S撚りとZ撚り(斜行してしまう糸)活かした編地のご紹介
S撚りとZ撚り(斜行してしまう糸)を活かした編地をご紹介します。
S撚りとZ撚りを使う時のコツは、同じバランスの撚りのものを同じ分量使うことです。そうすると斜行しません。
↑ SとZの差が分かりやすい編地がこちら!
白:S撚り グレー:Z撚り 2色を1㎝間隔のボーダーで配置し、リブを編んでいます。
SとZ撚りの影響でジグザグになっています。
使用糸: 35/1 スポエリーアイスコットン(接触冷感のコットン糸)
↑ こちらも、同じ要領で編んだ編地です。
同色のS撚りZ撚りの糸を、ボーダーで交互に配置し、リブを編んでジグザグに。
使用糸: 1/16 ピサ(コンニャク加工をした綿スラブ)
↑ Z撚り(ターコイズ)とZ撚り(ライトブルー)で袋ジャカードにすると、凹凸のある面白いテキスタイルにもなります。
使用糸:35/1 スポエリーアイスコットン(接触冷感のコットン糸)
この凸凹の編地は広げると、下のようなチェック柄の袋ジャカードなんです。(袋ジャカードでないとこのように膨らみません)S撚りとZ撚りで袋に編んだだけでこんなにも見た目が変わり面白いですよね。
また、柄の大きさを変えたりするとリバーシブルでも使用できますし、同色で作っても面白いのではないでしょうか。
↑ こちらはS撚りとZ撚りを半コース切替で編んだもの。ふり柄っぽい見た目になります。
使用糸: 1/16 ピサ(コンニャク加工をした綿スラブ)
S撚り・Z撚りのストックカラー素材の紹介
スポエリーアイスコットン
https://www.maruyasu-fil.co.jp/departments/monteluce/yarn-collection/752
接触冷感の綿の糸。
化学繊維を一切使用せず撚糸の技術だけで、接触冷感を感じることが出来る糸です。
強撚のS撚り、Z撚りです。
シャリ感とひんやりした清涼感のあるタッチは、快適な着心地ですよ。
ピサ
https://www.maruyasu-fil.co.jp/departments/monteluce/yarn-collection/784
コンニャクギマ加工の綿スラブ。
天然のコンニャク樹脂を使用した地球に優しいエコギマ加工です。
ペーパータッチのサラッとした素材です。
トリル
https://www.maruyasu-fil.co.jp/departments/monteluce/yarn-collection/7801
再生ポリエステル糸のS撚りとZ撚りの糸になります。
ポリエステルの特徴として比重が軽く張りが有り、SとZの斜行を利用して様々な構築的シルエットや凹凸のあるテキスタイルを作成することが可能です。
こちらの再生ポリエステルは回収されたペットボトルや繊維くずを原料とした100%リサイクル糸になります。
まとめ
この斜行を活かした編地は、他にないデザイン性があります。
SZの編地の参考が見たい方はお問合せ下さい。
ではまた。