プレーティングとは|ニットのプレーティングの使い方3つ
- 編み・柄
- 投稿日:
- 2023-12-07
- (更新日:2024-09-09)
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こんにちは、加納です。
ニットで表と裏で違う色にして表情を出したいとき、ラメ糸を使いたいとき、横筋や色のムラを出さずにきれい編む方法があります。
今回は、そんなニットの技法、プレーティング編みについて解説します。
プレーティングとは?
プレーティングは2本の糸を編地の表と裏に分けて編むことが出来る編みの技法です。
表目に出す糸と裏側に出す糸を、機械の仕組みで固定して編み上げます。
機械の仕組みを使って編むので、手編みでは使えません。
編み機の機種によって、編み機のキャリア(糸を通して編み機の中を動かすパーツ)を2つ使う場合と、1つのキャリアでプレーティング用の糸口を使う場合があります。
糸を添えるようにして編むので、添え糸編みとも言います。
どんな時に使う?
プレーティングを使って出来ることを3つ紹介します。
表と裏で糸の色を変えて、編地の表情を出したいとき。
表と裏で糸の色を変えてプレーティング編みをすると、少しだけ反対側の糸が見え隠れします。
写真の編み地は、表はグレー杢、裏はネイビーの糸で編んでいます。
少しわかりにくかったかもしれませんが、裏のネイビーがにじむように見えています。
裏から見るとこんな感じ。
ネイビーの糸の間から表のグレーの糸が見えているのが分かります。
ネイビーの糸の方が細かったので、グレーの見える面積が大きいですね。
表と裏が交互に出る編み組織リブ編みをすると、ストライプの表現ができます。
色味を変えるとナチュラルや素朴な色合いになったり、絣のような感じになったり、雰囲気を大きく変えることが出来ます。
デニム風の編地を作れたりも。
また、表と裏で糸が変わるという事は、表目と裏目で見た目が変わるという事なので、リブやリンクス柄にしてみると立体感が出たり、より表情のある編地になります。
色だけでなく、違う素材を使ったりなど、応用は幅広くできる技法でもあります。
定番的に使うパターンは、ラメ糸を使うニット。
同系色で細いラメ糸をプレーティング編みにすると、地の糸の色を生かしつつ、ラメが馴染んで上品な見え方にすることが出来ます。
ストレッチ糸を使う場合
ダスリーやマルロンなどのストレッチ糸を使うときは、多くの場合編地をしっかりさせたり、キックバックが欲しいときですよね。
ストレッチ糸は見えない状態が望ましいと思います。
その際もストレッチ糸をプレーティング編みで地糸の裏側に回すことで、見た目に違和感なく仕上がります。
配色の時とは違い、ストレッチ糸は細いので地糸と色を合わせればほとんど目立ちません。
逆にプレーティングをしない場合、ストレッチ糸が前に出てきたり後ろに回ったりしてしまい、前に出てきたときは編地が凹んで傷の様に見えてしまいます。
ストレッチ糸を使用するときは必ずプレーティングをしましょう。
2本取りの天竺編地を綺麗に仕上げたいとき
同じ糸を2本取りで編立てるときは、プレーティング編みをすると糸の入り方が安定して、天竺の目面が綺麗に仕上がることがあります。
引きそろえのままでも仕上がりが気にならないものも多いのですが、特に梳毛やストレートでスッキリとして糸の場合により綺麗に仕上げやすいと思います。
2本取りの編み地で横スジが気になるというときは、プレーティングを試してみてください。
まとめ
以上、プレーティングをよく使うパターンを解説してみました。
プレーティングのをするときの注意点としては、プレーティングのムラが出る可能性があるということ。
ラメの糸がくっきり出すぎたり、ストレッチ糸が前に出て編み地が傷に見えてしまったりします。
写真の編地も横スジが出てしまっているのがわかるでしょうか。
これは糸の相性と、糸と編み組織の相性、成型するときに編みの調子が変わる、などが要因で出てしまう現象です。
編みのスピード、糸のテンションなど微妙な機械の調整で改善することもありますが、なかなか難しいというのが正直なところです。
サンプルの段階でたくさん出てくるようだと素材を見直す必要があるかも。
安定した生産ができるということも大切ですよね。
以上、参考になれば幸いです。