ニット糸と日EU経済連携協定
- ニット製品の輸出入
- 投稿日:
- 2019-12-04
- (更新日:2020-06-30)
こんにちは。
今年も終わりに近づいています。
先日、外国産(ヨーロッパ)食品等を扱っているお店で、” 関 税 還 元 ” というポップを見つけました。
なぜ、このようなポップが出ているのでしょうか。ただの値下げでしょうか??
実はこれ、今年2019年2月1日に発行された”日EU経済連携協定(EPA) “が関係しているのです。
たびたび、ニュースにもなっていましたね。
” け・い・ざ・い・れ・ん・け・い・き・ょ・う・て・い 経済連携協定 ” なんだか難しそうですが(笑)
ところで、日EU掲載連携協定(EPA)は、私たち、ニット業界にも関係あるのでしょうか?
今回は、今年発行された日本とヨーロッパ間の “日EU経済連携協定(EPA) ” について進めていきたいと思います。
1.日EU経済連携協定(EPA) とは?
* JAPAN-EU Economic Partnership Agreement (EPA)。
2019年2月に発行された日本とヨーロッパとの初めての自由貿易協定(FTA)
EPA(経済連携協定)は、関税の撤廃や削減でモノ等が自由に貿易出来る事を定めたFTA に、関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備まで範囲が広がる協定です。
* 日欧EPA , 日EU・EPAなどと表現されます。
* EU とは?
欧州連合(EU:European Union)のこと。
日EU・EPAの適用範囲は、EU外でも適用の対象になる国があり、
またEU構成国でも対象外にある場合があるので、その都度、確認が必要です。
2.日本が参加しているEPAは、ほかにもあるの?
実際に活用経験あるものを挙げてみると、
* 日タイEPA ( 日タイ経済連携協定 )
( Agreement between Japan and the Kingdom of Thailand for an Economic Partnership)
日本とタイ間の協定。
* 日・ASEAN包括的経済連携
(Agreement on Comprehensive Economic Partnership among Japan and member states of the Association of southeast Asian nations)
日本と東南アジア諸国連合間の協定
3.EPA を活用するメリット
日EU・EPAでは、産業の種類や品種によって違いますが、原産国や工程等の条件を満たすことで(各種書類提出も含めて)関税撤廃や削減適用が可能になります。
そのため、冒頭で申し上げた、ヨーロッパ産食品等など輸入にEPA(関税が無税や削減)を活用して輸入しているため、従来よりも関税が無税か安くなり、” 関税還元” につながります。
4.ずばり、”ニット”と”日EU経済連携協定(EPA)” は関係あるの?
はい。 関係あります。
協定の条件を満たしていれば、輸入時の関税が免除になる場合があります。
この日EU・EPAを適用してニット糸等輸入するには、
まず、原料、産地や工程などの条件を満たしているかのメーカーに確認をします。
そして、輸入前からメーカーや輸出者等と密な連絡を取り、様々な書類を輸入申告で提出する必要があります。
そもそも関税とは?
輸入品に課せられる税です。
財源調達というより、現在は国内産業を守る機能があります。
普段の買い物で私たちが払う消費税10%とは別な税です。
(輸入品には、関税の他もちろん地方消費税や消費税も支払います。)
品目等によって関税額は異なるので、統計品目番号 (HS CODE) を参考にして出る税率の関税を税関に支払う事になります。
5.おわりに
世界では様々なEPA などの協定が発効されています。
これまで、日欧EPA , 日タイEPA アセアン協定を活用した輸入時は、
協定によって活用に必要な確認や準備が異なっていて、それぞれ緊張しましたが、
各方面の方々の協力を得て無事に活用する事が出来ました。
では、また。