20-21AW ニット素材トレンド情報|PITTI FILATI 85
- トレンド
- 投稿日:
- 2019-11-23
- (更新日:2020-06-27)
こんにちは。片野です。
今回は20-21AW(秋冬)のニットトレンドを今年の6月にイタリア・フィレンツェにて行われた世界最大のニット糸総合展《PITTI FILATI ピッティフィラティ》の中からご紹介します。
PITTI FILATIは世界最大級のニット糸の総合展示会で世界中から糸メーカーが集まり、いち早く各社の新素材・編地が見ることができます。
PITTI FILATI 85トレンドテーマ
「HERITAGE× ELEGANCE」遺産と優雅さ
今回のPITTI FILATI のテーマを一言でまとめると「遺産と優雅さ」です。
直訳すると、デザイナーが生み続けてきた遺産(経験・知識・探究心)を私達は継承し続け、新たなトレンドを生み出していく。デザインはさらに優雅で上品になる傾向。
キーワードは、『1950~80年代にかけて作られた細身のシルエット』、『高級感』、『より洗練されたスポーツウェア』。
過去の功績・歴史を尊重し、カジュアル傾向だった近年のトレンドとは離れて優雅さやラグジュアリー感がより強くなる風潮です。
トレンドカラー 注目Colorは「BROWNブラウン」
PITTI FILATIで配られるトレンドカラーチャートです。
ブラウンを中心にオレンジ、ワインなど暖色系のカラートーンが多いのが印象的です。
差し色にアッシュブルーやミントグリーンなど寒色系を取り入れるのがトレンドでした。
そして、20-21AWの注目カラーは『BROWN ブラウン』です。
ブラウンといってもキャメル・カーキ・ベージュ~ブラウン・ワイン・オレンジ・マスタードなどの暖色系のカラーがコレクションの中心になると予想されています。
PITTI FILATIでもブラウンを中心に暖色系の編地が多くみられました!
分量のおおいアイテム(オーバーサイズ・ドレス)にあえてブラウン系の色を付けることで新鮮なイメージ・世界観を与えることです。
ブラウンが注目される由縁は、「嫌われていた”ブラウン”の良さを復活させる」にあります。もともとのブラウンはラグジュアリーな色の象徴でした。ブラックはシャープな印象を持つ色です。反対にブラウンは温かみがあり角をとってくれるなど優雅さを持っています。自然にも多く使われている色で、見渡せば多くのブラウンに囲まれている最も親しみやすい色でもあります。
しかし、ブラウンがファッションで使われていたのは40年以上も前になってしまいました。それはファッションとしてのブラックの登場、ブラウンはブラックに変化。昔は喪服以外の黒い服を持っていなかったのですが、近年ではすっかりブラックが定着。ファッションとしてのブラウンの影は消えて行ったのです。
今回のトレンドテーマ『HERITAGE=遺産』とあるように遺産になりつつあった”ブラウン”の魅力を再認識させるような雰囲気を感じました。
20-21AWトレンド編地
●トランスぺアレント(透明に近い透け感)
透ける素材の秋冬の使い方として鮮やかな2色で表現するジャカード。
14G~18Gのハイゲージで表現が多くみられました。
ドレスを始め、ニットスーツなど幅広いアイテムに展開できます。
AWの透明感は、細番手のモヘアなどでレース柄でも表現できます。
● ファンシー
アルパカのブークレヤーンや巻毛状の毛玉をもった表面のアストラカンが多数ありました。
アストラカンは光沢重視、エアーフローも年々進化しています。
● NEON
モヘアはくっきりとしたネオンカラーを使用した編地が目立っていました。
ジャカードの編地ではネオンカラーのような、または星空のようなギラギラとしたラメが多様されています。
光沢やラメ素材は、獣毛のヘアリーな毛羽感と組み合わせて使用されています。
● 新しい素材 「融着糸」
素材とプレイティングして編み、高温セットをすると特殊なナイロンやポリエステルが溶けて付着してハリ・コシを出す素材です。
主にニットシューズ・カバン・インテリアなど使用されています。
また、ハリ・コシを出す方法として、柔らかいウールとポリエステルの接結編みも多くみられました。
小物はもちろんウェアでもシルエットを出したいデザインにおすすめです。
最後に
PITTI FILATIで感じた20-21AWトレンドをまとめてみました。
シルエットとカラーは特に今までの流行から変化がありそうなシーズンになると感じました。皆様の秋冬ニットづくりにお役に立てればと思います。
また、PITTI FILATIでは編地なども多く展示されていたので今後ご紹介していきたいと思います。
ご紹介したトレンドの素材や編地についてもっと知りたい!などありましたらお気軽にご相談ください!