2020SS Collection Knit Trend

  • コレクション

皆さま、少し時間が空いてしまいましたが、今年の海外コレクションはご覧になりましたでしょうか。
色々なコレクションのまとめ記事がある中でも、ニットに特化したサイトはありません。
私は10代の頃から、毎シーズン、世界のコレクションを研究していますので、弊社を代表してこちらのWEBにて、20SSパリ/ミラノ/ロンドンコレクションのニットを特集していきます。
柄のトレンド、スタイリングを中心にお話致しますので、ご参考になれば幸いです。

2020SS NEWYORK

・THOM BROWN
普段のメンズのテーラリングとは違う、遊び心あふれるニット。

クチュールのドレスの様な雰囲気に、巨大なケーブル柄が圧倒的な印象を与えます。

 

・Telfar
横使いをし、大胆な配色を施した、HOODIEとOP、こちらは若干の透け感を表現し、スタイリングしやすいのが◎

 

・Eckhaus Latta
毎シーズン独特なニットセンスを披露してくれるブランド。
東海岸と西海岸にルーツを持ち、今回のコレクションでも、それぞれのエッセンスがあります。
ニット体を多く作る数少ない貴重なブランドです。
透かし柄のニット参考になります。

 

2020SS MILANO

・Palm Angels

シンプルなデザインながら、大きく開いたVネックで重ね着を表現しています。
シーズンテーマの南国の刺繍もポイントになります。
スクリーンショットをLOOKに持ってくるところが◎

 

・Gucci
毎シーズン、天才的な遊びと飾りで、ヴィンテージ感を表現するミケーレのコレクション
今回のコレクションでは、過度な装飾を控え、本来のGUCCIらしい、クチュール感を表現しつつミケーレのスタイリングをMIXする、今までとは、違う世界を表現していました。
襟が狭く、丈が短い、ヴィンテージのサイズ感に、モール糸のエッセンスが加わるスタイル。
GUCCIカラーを使用した、鈎針でのPO、シンプルな形ながら、美しい配色のタートルPO
どれも一つ一つはシンプルなアイテムですが、とても美しいアイテム達です。
新しいミケーレの世界が楽しみです。

 

・PRADA
WJQのセットアップでは、PRADAらしい柄を表現しています。
また、どちらも独特な襟で、後ろで結ぶスタイルになっています。

2020SS London

・TOGA
編地はシンプルながら、大胆にも大きく穴をあけ、その部分を袋でパイピングしています。
アクセサリーをその部分から垂らすスタイリングも非常に◎
爽やかな色のチェック柄JQ、表面が光っており、素材に特徴があるように感じます。
引き続き、チェックしていきます。

 

・Molly Goddard
14年コレクションスタートのロンドン発ブランド
毎シーズン素晴らしいカラーリングでコレクションを展開し、フェミニンを追求しています。
今回のニットでは、マストカラーである、LightPINKを使用し、AHをリボンで結ぶアイテム

 

・FASHIONEAST
00年スタートの、ロンドン・ファッション・ウィーク中に開催される若手デザイナー3組による合同のショウです。
JWやsimonerochaを輩出した、素晴らしい取り組みです。
今回は1948ldnのニットをフォーカスします。
謎が多すぎるブランドですが、グランジパンクなニットは今回のコレクションで凄い印象を残しました。

 

・KIKO KOSTADINOV
20SSのプレタポルテより、ニット体をチョイス。
デビュー当時にモノトーンとは180度変わり、煌びやかで素晴らしいカラーリング
ラメ糸を所々使用し、フェミニンな雰囲気も◎

2020SS PARIS

・Courreges
目写し柄を全体的に施し、大胆でニットデザインを行ったのはCourreges。

ケーブル柄に目を寄せているデザインは今回とても目を引くスタイルでした。

 

・LACOSTE
シンプルな鹿の子編みにボンディングの様なハリを持たせて、しっかりとしたポロの提案はLACOSTEです。
個人的にはTyler, The Creatorが手掛けるGOLF LE FLEURとのコラボもあり、再注目が予想されます。

 

・BeautifulPeople
透かし編みを利用し、それぞれ別の色を使用する事により、独特なカラーを表現しています。
透け感をとても美しく繊細に表現したコレクションです。

 

・Sacai
独特な配置での布帛ドッキングを施したOP
ウエスト位置での絞りを与えることでシャープな印象のニットに。

 

・Y/Project
斜めの柄を配置し、フリルを施す、ドレスの様なタイトPO、CFでの接ぎを上手く利用しています。
民族衣装の様な柄をイメージした、ストール型ベスト、独特な糸使いも参考になります。
肩にある、ロゴもポイントになりますね。

 

・Anrealage
全シーズンに続き、オーバーサイズなシルエットです。
前回のテーマがDetailに対して、ANGLEをテーマに掲げています。

シルエットだけではなく、大柄のJQもとても参考になります。

 

・Ottolinger
まだ新しいブランドですが、毎シーズン、コレクションから、ブランドイメージとても素晴らしく、わくわくさせてくれるこちらのブランド。
今回は、麻の生地を羽織ったような雰囲気のニットでした。
生地をボロボロにするように、ニットでも目をほどき、裾側で、垂らすことにより、シンプルながら、力強いイメージをあたえます。

 

・JW Anderson
今回のコレクションでは、モヘアのミニOPに銀色の糸を這わせて、ガーリーであり、どこから不思議な印象を与えます。
ラメ糸を使用した、セットアップでは、フリンジでグラデーションの様に表現をしています。
アクセサリーやシューズも可愛くスタイリングがとても上手です。

 

・Acne Studios
シンプルながら、素晴らしいニット。強縮風ダメージニット/目の流れを切り返しで移していく編み方/独特な透かし柄、素晴らしい手法です。他社が中々真似できない方法ですが、やはりこういったニットは心惹かれますね。

 

・Jacuemus
今シーズン個人的ベストコレクションでした。インナーニットに大注目です。
こちらのコレクションは少し掘り下げます。

①10周年の今シーズンテーマは<Le Coup de Soleil(日焼け)>
招待状を日焼け止めにしているのもキュートです。

②コレクション会場は<ラヴェンダー畑>
南仏をルーツにもつデザイナー。今シーズンは実際に南仏へとゲストを招きました。
プロヴァンス地方・ヴァロンソル高原に広がるラベンダー畑。自然の美しさをクリエイションに反映させるジャックムスを体現するロケーション。

③SSのニットに注目
ブランドをイメージさせるLightやPALEトーンの色合わせに透け柄のインナー◎
大きな布を体に巻いていくような、OP、この柄はプリントの様に見えます。

タイトなPOは胸元まで大胆に開き、健康的に肌を見せます。
ウエストより、ワイドリブで絞りを与えることで更にヘルシーな印象に。

シンプルながら、透かし柄のバッグとのスタイリングが◎なグラデーションニット

BLから上は透明糸を使用する大胆なニット。ありそうでない、素晴らしいクリエーションです。
OPはストライプの目を立たせ、立体感を表現。

メンズ物の爽やかなグラデーションポロでは、襟を大胆に明け、健康的に。

④アートからの着想
ジャックムスが今シーズンのインスピレーション源に挙げたのは、David Hockney Paul Cézanne Jean Lurçat。彼らの作品や世界観から着想した柄や温かみのあるカラーパレットがウェアや小物を彩りました。

 

ニット以外でも押さえておきたいNEWS

・CHANEL

新アーティスティック ディレクターに任命された、ヴィルジニー・ヴィアールによる初のコレクション。
ガブリエル・シャネル/カール・ラガーフェルドというレジェンドの後継者として選ばれた彼女のコレクション。

乱入した、Youtuber<Marie Benoliel>をGigi Hadidがスマートに追い出す動画も是非チェックしてはいかがでしょうか。

・PATOU
1987年の休止したジャン・パトゥがLVMH傘下となり、ブランド名を変更しカムバック。
デザイナーはカルヴェンやニナリッチでクリエイティブ・ディレクターを牽引したギョーム・アンリ。
カルヴェンを再生した、アンリのコレクションは今後も目が離せません。

・Rixo
インスタでもヴィンテージ好きの方々から話題沸騰中のロンドン発ブランド。
目を引く美しいプリントは、すべてロンドンのスタジオで手作業で描かれています。
発表後すぐにポップアップショップで購入も可能という方法も◎

・Shuting Qiu
17SSデビューの新鋭ブランドが行ったミラノコレクション
今シーズンはニット体こそないものの、煌びやかでPOPな世界観は今後も注目します。

 

まとめ

今シーズンはSSにも拘わらず、全体的にニットが多いシーズンでした。
トップスで使わない場合でも、インナーなどでの使用が多いイメージです。

なかでも、透かし柄が多くみられ、SSということもあり、ヘルシーに肌を見せるのが今シーズンのトレンドという事が読み取れます。
柄での透かし方法、編地での透かし方法、様々な方法があるので、弊社まで是非ご相談ください。

(今回の画像は全て、VOGUERUNWAYよりお借りしています。)