リンキング|ニット特有縫製方法についてご説明します!
- ニット製品の取り扱い方法
- 投稿日:
- 2017-08-17
- (更新日:2020-06-27)
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皆さんこんにちは。
ようやく夏から解放されそうな気がしますね^^
早く秋になってほしいものです!
さて今回はニットの一番の裏方ですが、最も重要なリンキングについて紹介したいと思います。
目次
- リンキングとは
- リンキング縫製の特徴について説明します。
- リンキングの縫い目の表と裏どっちが表かご存知ですか??(追記2017,08,17)
- リンキングの仕様(追記2017.08.17)
- リンキングの機械の種類
- リンキング糸(追記2017.08.17)
- まとめ
リンキングとは
リンキングは横編ニット特有の縫製方法で、ミシン縫製とは異なり編み立てとの関わりが深い、伸縮性があるニット生地に適した方法です。
リンキングの特徴は製品の継ぎ目が目立ちにくく、縫目の厚みを押える事で製品を高品質に仕上げる事ができ、横編ニット生地のもつ特性、表面効果性、伸縮性の特性を重視した縫製方法です。
リンキング縫製の特徴について説明します
1,正確である
・目のループ数を計算して針に刺すため、縫いずれが起きません。
・洗濯後、型ずれしない
・縫製する際の単位がセンチではなく、ループ数のためずれる事がない。
2,縫い代が少ない
・上記でも説明した通り、縫い代の厚みを押える事ができます。これはループとループを縫い止めるためです。
3,伸縮性がある
・ループとループを同じ目刺しでかがり縫いをするため、伸縮性に富み、縫目が生地になじみます。
4,柄合わせが出来る
・編み目を合わせる事が出来ます。
・柄を合わせる事で高級感がある。
リンキングの縫い目の表と裏どっちが表かご存知ですか?(追記2017,08,17)
皆さんリンキングの縫い目に表と裏があるのはご存知でしたか??
実はリンキングには表側と裏側があります!!
下記画像をご覧下さい。
下記はそれぞれ同じ編地のリンキングの表と裏です。
それでは問題です!!どちらが表でどちらが裏でしょうか?
恐らくループ目の①を表と選んでしまう方が多いと思います。
ニット=目=ループ だからでしょうか?
正しくは①が裏②が表です!
言葉だけですと説明しにくいので、実物の編地も一緒に見てみてください。
どうですか?上の図の様になっているのがわかりますか?
表はミシン縫いのように見えますが、裏にはチェーンステッチができます。
布帛のように縫う距離をcmやmmで行うのではなく、リンキングには編み地と同様にゲージがあり、編み地のループの大きさによってリンキングのゲージが決められます。
リンキングのゲージを決める目安は、編み地のゲージよりも2ゲージ程細かくするのが目安とされていますが、編み地の組織(天竺、ゴム地など)によっても変わってきます。
例えば12Gのニットであれば、14Gのリンキング機に掛けてリンキングをします。
これはあまり必要のない豆知識かもしれませんが、、^^;
リンキングの仕様(2017,08,17)
リンキングはなんとなくわかったけど、肝心などうやってあの目が再現されているんだ・・・・
っと困惑して夜も眠れない方がいらっしゃるかと思いますので、ここで説明をしておきます。
考え方はとてもシンプルです。
カギ針でニットを作成したことがある、作っているのを見たことがある、なんて方いらっしゃいませんか?
カギ針は針に糸を引っ掛けて目(ループ)をつくっていく編み方なのですが(かなり簡単に説明してます)考え方はそれとほど一緒で、糸をひっかけながら、ループを形成して、縫製をおこなっています。
その工程がこちら。
①目を1目1目針にさしていく
写真の様に1目ずつ想いを込めて目をさしていきます。
これが終わった頃にはだいたい休憩を挟みたくなります笑
それくらいに神経を使う作業です><
②縫い針を刺す
自動なので、ぶい~んと針が動いてくれます。
③ループを作る
いよいよ、一番大事なポイント!ループを作成する場面になります!!
黄色の丸枠で囲ってある部分をよ~く見てください。先っちょが少しカギ針の様にクイッと曲がっているのが分かりますか?
この部分がまさにカギ針と同じ要領で自動でループを作っていってくれます。
この一連の動作をおこなって初めてリンキングされることになります^^
リンキングの機械の種類
皆さんリンキングの機械ってご覧になられた事がある方はいらっしゃいますか?
前回のSSの弊社の展示会にいらっしゃった方はご存じかと思いますが、用途に合わせて2種類があります。
それぞれ2種類とも名前があります。
A:フラットリンキング(八角式 ヤスミシキ)
画像はこちらから拝借しました。http://www.marusans.com/products/products_09.html
直線で長いリンキングの機械になります。
主に使う箇所は脇などの直線部分に用いる事が多いです。
B:ダイヤルリンキング
画像はこちらから拝借しましたhttp://www2.ocn.ne.jp/~saimeri/knitroom/Knitroom.htm
こちらは先ほど紹介したフラットリンキングとは違い、球体の形状をしたリンキングの機械になります。
こちらは主に曲線部分の襟ぐりなどに用いる事が多いです。
リンキング糸(追記2017,08,17)
リンキングに用いる糸は、基本的には共糸を使用します。
生地になじみ目立ちません。
糸が弱いときは、同じ太さの糸を使うか、細い同素材の糸や、スパン糸などを引きそろえて縫製されることもありますので、リンキングで一番ポイントになるのが、リンキング糸かもしれません。
最後に
いかがでしたか?
リンキングについて悩みは解決できたでしょうか?
是非実際に店頭に行ってリンキングされているニットとされていないロック仕立てのカットソーを手に取って見比べてみてください!
リンキングされているものと、されていないもので高級感であったり、生地の馴染み方に大きな差があるはずです^^
では^^/