季節の趣を汲んだ伝統食。ぼた餅とおはぎの違い

  • 生活に役立つ豆知識

こんにちは、小柳です。

最近は少しずつ陽も長くなりましたね。そういえば3月21日は春分の日で、昼と夜の長さが同じになる日ですが、本当は昼が少し長いそうですよ。春分の日は前後3日を含む7日間がお彼岸になり(秋にもお彼岸があります)お供え物として食べられているのが「ぼた餅」「おはぎ」です。今回は春彼岸に食べられているのはどちらか?と違いなどを解説します。

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ぼた餅とおはぎの違い

季節の違い

「ぼた餅」と「おはぎ」はほとんど同じ食べ物であり、呼び方が異なるだけなのですが、実はこの名前の違いが重要なのです。それぞれを漢字にすると、「ぼた餅」は「牡丹餅」、「おはぎ」は「お萩」となります。牡丹は3月のお彼岸の時期に咲く花であり、「ぼた餅」は小豆のあんこを牡丹の花に見立てて作られたとされています。そのため、「牡丹の餅」から「ぼた餅」になったと言われています。一方、萩(はぎ)は9月のお彼岸の時期に咲く花であり、こちらも小豆のあんこで萩の花を再現しているとされています。「おはぎ」の形が細長い俵形なのは、萩の花に似せているからだという説もあります。

・春のお彼岸→ぼた餅

・秋のお彼岸→おはぎ

あんこの違い

「ぼた餅」と「おはぎ」には「こしあん」と「つぶあん」の違いがあります。

「ぼた餅」と「おはぎ」のあんこの材料となる小豆は、種まきの時期が春の4月から5月にかけてであり、収穫が9月頃となります。9月のお彼岸の時期には、収穫したての新鮮な小豆でおはぎを作るため、粒あんとしてそのピチピチとした食感を楽しみながら食すようになりました。ところが、9月に収穫した小豆をつぶあんの状態で春まで保存していると、小豆の皮が固くなり、食感を損ねるため、こしあんとして保存するようになったのです。そのため、昔は春分の日に食べる「ぼた餅」は、つぶあんではなく、こしあんが使われていました。もちろん、現在では、食物の保存技術が飛躍的に進歩しているので、こしあんとつぶあんの区別はなくなり、「ぼたもち」と「おはぎ」は同じ食べ物だと認識している人が多いそうです。

 

春分の日・秋分の日・お彼岸の豆知識

春分の日・秋分の日

昼と夜の時間が同じ日。なぜ「国民の祝日」かというと 3月の「春分の日」は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」であるのに対し、9月の「秋分の日」は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。」という趣旨です。また、ほとんどの祝日は日付が決まっていますが、春分の日と秋分の日は天文学的に予測します。国立天文台が毎年2月に翌年の春分の日・秋分の日を発表しています。

お彼岸

お彼岸というのは、「春分の日」・「秋分の日」をまん中にした前後3 日間、あわせて7日間のこと。先祖のお墓参りに行ったり、各寺院で「彼岸会(ひがんえ)」などが行われています。春のお彼岸は農作業がはじまる時期で、秋の彼岸は収穫の時期です。昔の農家の人は、おはぎを作ってみんなで食べて、豊作を願ったり、実りを感謝していました。また、ご先祖様へお供えすることで、邪気を祓い、家族の平穏無事、健康、幸せを願っていたそうです。

 

最後に

春のお彼岸の食べ物は「おはぎ」ではなく「ぼた餅」が正解でーす!今まで好んで「ぼた餅」や「おはぎ」を食べることがありませんでしたが、ご先祖様に感謝の思いを馳せながら、今年から頂いてみようと思いました。それでは。