ニット糸づくり~タスラン加工~

  • 繊維と糸

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こんにちは八木です。お盆を過ぎて、涼しくなりましたね~。と思っていましたが、めちゃめちゃ暑いですね。

みなさんは夏休みをどのように過ごされましたか?私は故郷福井に帰りました。地元に帰ると自然の美しさ、おいしい空気、気候の良さが身にしみます。何を食べても美味しいし、いいところで生まれ育ったんだなぁ。しみじみ。(写真は地元のサンセットビーチで開催された花火大会 水中花火 寸玉)

さて、撚糸や紡績といった糸の作り方はよく耳にさせれると思いますが、今回は私の地元福井からもほど近い石川県の工場で加工していただいている“タスラン加工”についてお話ししたいと思います。

弊社の素材でいうとベンソロと、レイテックがタスラン加工で出来た糸です。

目次

  • タスラン加工(エアー加工)
  • タスラン加工のしくみ
  • まとめ

 

タスラン加工(エアー加工)

タスラン加工は空気で2本以上の糸を絡める特殊加工です。

撚りをかけずに圧縮空気をフィラメントに吹きかけて結束させます。

タスラン加工の糸の特徴は

①撚りが入っていないので入っている糸よりも軽く上がります。

②圧縮した空気の力で糸を絡めるので嵩高性があります。

ではいったいどのようにして作られているのでしょうか。

タスラン加工のしくみ

芯糸と浮糸から構成されています。

ローラーの回転で送られた芯糸と浮糸はタスランボックス内に取り付けられたノズルの中を通過するときに、空気の力で錯乱してフィラメント同士が結束して、タスラン糸になります。空気を送るときに水も一緒に噴射するのですが、これは原糸についた油分をとる為などの役割があるようです。

芯糸はタスラン糸の芯となる糸で、その周りに浮糸が密に絡み付きます。芯糸と浮糸の送りのスピードを変化させることで、ブークレのような形状の変わった糸もつくることができるそうですが、撚糸や紡績のような一定の間隔で綺麗なループは絡める加工だと困難だと思うのでこれから研究が必要かと。

Nm4.000ぐらいの太いタスラン糸を素材開発のアイディアになればと思いいただきました。ほんの少し形状のある糸です。この糸は資材に使われるものなので形状は関係ないのですが、この糸はこれからコードにして荷物をまとめるときに使用するような丈夫な紐になるそうです。

持った感じ見た目より軽くて重さを感じません。

まとめ

タスラン加工の糸は撚りをかけず空気の力で糸を絡めるので、軽さを感じ嵩高性があることがわかりました。また、今回の見学で丁寧にご説明いただき糸づくりの工程を知ることができたので新しい糸づくりの勉強になりました。

タスラン加工について少しご理解いただけたでしょうか。いつも見ることが出来ない加工のしくみや素材のことをご紹介することで、皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いします。