ニット素材であるナイロンの魅力

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こんにちは、小嶋です。

先日ナイロン100%の糸で編地依頼をした際、今までにない表現が出来たのでナイロンのことについて詳しく知らない・・・と思い掘り下げて調べてみました。

今回はナイロンの可能性について触れていこうと思います。

ナイロンのできるまで

ナイロンは、工業化に成功した合成繊維としては始めてのもので、米デュポン社の研究員だったカローザス博士が中心になり研究を進めていた合成繊維をナイロンと命名し工業化に踏み切ったのが始まりです。昔、繊維は麻やシルク、綿など天然のものが多かった時代に人間の手によって繊維を作り出したいという考えがでてきました。
そんな中、ヨーロッパでは、絹への憧れからレーヨンの製造の研究が進んでいました。

とても強い繊維

ナイロンは、「石炭と空気と水からつくられ、クモの糸より細く絹よりも美しく、鋼鉄よりも強い繊維」というキャッチフレーズで宣伝していました。ナイロンは、このフレーズと共にあっという間に世界中にその名が知れ渡っていきました。現在は、コスト削減の為、石炭から石油に代わっています。

どのくらい強いの?

あらゆる繊維の中で最も強いもののひとつで、綿の約十倍の摩擦強度があり、強さは濡れてもほとんど変わりません。
さらに非常に軽いんです。比重が綿の70%と軽く、大量に使われている繊維の中では一番軽いです。
その強さと軽さから、衣料だけでなく産業用としても、アウトドアや医療にも多く使われています。

また、その強さと軽さゆえにファンシーヤーンの押さえ糸(形状を崩れないようにする糸)に使われたりします。形状が面白い糸にはナイロンが混紡されて混率に表記されているかもしれません。

ナイロンの新しい表現

写真は、ケーブル柄をナイロン100%糸で編んだものです。
ナイロンを他の素材を混紡する使い方が一般的ですが、ナイロン100%の糸で編むとウールとはまた違った見え方になり、独特なスポンディッシュな仕上がりでなにより軽いです。

この糸の形状はこんな感じでウーリー糸のように何もしないとフワフワしていて、引っ張ると糸状にみえる糸です。

このように伸縮がかなりあるので、製品としては天竺組織だと乱寸しやすいデメリットがありますが、地柄にしたり編み方の組みあわせを工夫することで企画的安定させることが出来ると思います。

まとめ

ナイロンの耐久性や強さはたくさんの可能性が秘められていますね。強度だけではなく、染色性が高く鮮やかな色に染まるという点も特筆できます。昨今ではシーズンレスに使える洋服がニットに限らずキーワードとなっていますが、立ち上がり素材としても使い方によっては3シーズン程いけて今後さらに幅が広がっていくのではないでしょうか。

それでは、また。