一枚の布が絵画のよう。人の心を打つ「バティック」とは?
- 生活に役立つ豆知識
- 投稿日:
- 2017-11-29
- (更新日:2020-06-27)
こんにちは。小柳です。
先日、インドネシアのジャワ島&バリ島に行ってきました。1000年以上も密林の中で火山灰に隠れていた仏像遺跡に興味があり、ジャワ島の世界文化遺産のボロブドゥール&ブランバナンが目的でした。その日はボロブドゥールマラソンがあって(日中は暑いので早朝から開始するそうです)完走した方など多くの方々が見学していてゆっくり見ることができなかったけど、回廊の仏伝図のレリーフや仏像・ストゥーパは壮大で目を引かれました。また、バリ島は10年前位に行ったことがありますが、その頃に比べてクタビーチが雨季だったからなのか?ゴミが流れてくるのか??ゴミが多くて、海で泳ぐ気がせずガッカリしました。(←ホテルのプールで泳ぐのがベストでした。)
ボロブドゥール遺跡群
では本題に入りますが、今回はインドネシアで出会った、伝統的な布製品「バティック」についてご紹介しますね。
目次
- 「バティック」とは
- 染めつけ方法
- バティックデザイン
- 最後に
「バティック」とは
バティックとは、インドネシアで腰巻きなどの伝統的な衣装として用いられてきた、ろうけつ染めの布のことです。木綿や絹の生地を使って制作し、染色しないところをロウで伏せていくことで図柄や色分けが生まれます。多色染めには、ロウ置き→染色→ロウの除去を繰り返します。染料には古くはソガ、藍、茜などの天然染料でしたが、20世紀に入ってからは化学染料が多く使われるようになりました。2009年に、【ユネスコ無形文化遺産】に登録された、インドネシアの国宝でもあります
染めつけ方法
トゥリス
手描きのバティックのこと。「チャンティン」と呼ばれる器具に熱したロウを入れ、図柄を書き込みます。片面だけに描くもの、両面に描くものの二種類があります。
チャップ(スタンプ)
銅製のモチーフ・スタンプを使ってロウを押しつける方法。手描きのバティックに比べると制作時間がかなり短縮されるので、その分値段が安くなります。とは言えチャップを等間隔で繋ぎ目が分からないようにキレイに押しつけるにも熟練の技術が必要とされます。
コンビナシ(コンビネーション)
手描きとチャップのコンビネーションによるバティック。チャップで連続模様を、そして手描きでディテールを描き込み、どちらか1つの製法で作られたものとは異なった仕上がりになります。
サブロン(プリント)
ろうけつ染めではない、スクリーン・プリントでバティック調のモチーフをプリントしたもの。値段が安く、いろいろなモチーフが作れるので、お土産用などでも多く出回っています。
バティックデザイン
スメン文様
若芽や発芽という意味を持ち、ヒンドゥー・ジャワの世界観を表した文様です。植物模様とともに、霊山・炎・船・鳥・ガルーダ・宝物・玉座・生命樹が描かれ、王位継承者への9つの教えを示していました。
バラン文様
刀剣を意味し王権を表す文様です。S字のらせんを基本形として斜め縞を構成する連続模様です。インドネシア人の守り刀であるクリス(kris)の刃形に由来するといわれていました。
カウン文様
砂糖椰子(kabung)の実を輪切りにした形に似ていることから名付けられました。日本の七宝文様に似ているといわれています。
タンバル文様
継ぎはぎするという意味を持ち、パッチワークのように様々な模様を継いで構成される文様です。中部ジャワでは、敵から身を守り病気を治す不思議な力を持つ文様としてとらえられています
チュプロック文様
銀細工において細部をつなげるという意味を持ち、格子・円・花・パラン・カウン・まんじなどのさまざまな模様を組み合わせて作り上げる文様です。
パトラ文様
インドの経緯絣であるパトラ(patola)を模した文様で、ジャワ北岸で作られました。インドから輸入されたパトラは、インドネシア各地の王侯貴族の権威の象徴として用いられ、パトラを模したバティックもパトラ同様に扱われました。
ニティック文様
刺す、水滴という意味を持ち、点・短線をつないで構成される文様です。インドの経緯絣であるパトラを模した文様といわれています。
最後に
バティックのデザインの一部をご紹介しましたが、私自身地味な柄だなぁ〜っと感じていました。しかし店員の方に見た目でなく着てみないとわからない、また現在は流行りのインディゴ染めを取り入れていると聞きました。確かに目移りしそうな品揃えで、伝統を守りつつも現代人にも受け入れてもらえる物作りをしているのは、葛藤などあったとは思いますが努力の賜物だと感じました。そんなインドネシアの伝統的な物などを肌で感じることができ勉強になった旅でした。
それでは!