春夏人気のニット素材〝ミルキーリリー〟の色のお話し~カチオンって言葉聞いたことありますか?
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2017-10-24
- (更新日:2020-06-27)
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こんにち八木です!めっきり寒くなって、あったか~いニットを着る機会が増えてきましたね。
前職では、ポリエステル100% や 麻100%の織物をメインで作っていたので、今は、素材を覚えるのに必死な日々を過ごしています。そんな中、驚きや発見がたくさんあったので、その中のひとつをお話ししたいと思います。
目次
- ミルキーリリーの色のお話し
- カチオン可染綿とは
- カチオン染料染めのいいところ
- まとめ
ミルキーリリーの色のお話し
弊社の糸でミルキーリリーという素材があります。
この糸、こんな感じで、TOP染めでしかできないようなメランジ風の見た目なんですが、後染めでもこのメランジ調の見た目で染色できるんです!
なぜかというと素材は綿100%なんですが、この内13%の綿がカチオン可染綿なんです。
カチオン可染綿とは
「カチオン可染綿」とは、「カチオン染料でも染められる綿」という意味です。
従来の綿を「レギュラー綿」と呼ぶとすると
ミルキーリリーは 「レギュラー綿87% カチオン可染綿13%」 と表記できます。
カチオン染料で染められるようになった「カチオン可染綿」は、カチオン染料にだけ反応するので、「カチオン可染綿」だけを染色して、「レギュラー綿」は白のまま残すことができます。
それで、このような見た目の糸を染色できるんです!!
後染めが可能なミルキーリリーですから、別注色も3㎏からお受け出来ちゃいます。
カチオン染料染めのいいところ
カチオン染料染めは、染め分け出来るだけじゃありません。
①環境に優しい
低い温度で染色できるので、エネルギー消費量・CO2排出量の削減につながります。
②素材の風合いを損なわない
ウールやアクリルなど高温高圧下の染色では強度や風合いが低下する恐れのあるものもありますが、染色温度を下げることで素材の特性を損なうことなく組み合わせることが可能となります。
まとめ
その他にも、例えばメーテルのように、混率によって染め分け出来る素材もあります。
メーテルは 綿80% カシミヤ20% です。綿とカシミヤを染めることができる染料が違うので、綿だけの片染めでTOP調の色合いの糸がつくれます。
糸作りって奥が深いですよね~。