巻きに関しての注意と認識が必要 ストレッチ糸の取り扱い方を説明致します
- ニット糸の取り扱い方法
- 投稿日:
- 2017-10-25
- (更新日:2020-06-27)
みなさんこんにちは松井です
先週は雨がほぼ1週間続き晴れ間が無かった為、洗濯物が全く乾かなく乾燥機をフル稼働していましたが洗い物の消化に間に合うはずもなく、雨がずっと続くのは困るなとつくづく感じました。
さて本日は過去にも一度このブログで触れた”ストレッチ糸の取り扱い方”について記述していきたいと思います。
糸の取り扱い方はなにも編立てを担当する方のみが知っていれば良い訳ではありません。その糸の使用を指示するデザイナーさんはもちろん 商品の品質を管理する生産管理の方もこれを知っていないと商品にトラブルがあった際、なんでこうなったのか原因が掴めず見当違いの原因追究に終始してしまうハメになります。ですから、これをきっかけに今まで知らなかったという方も是非理解を深めて頂ければと思います
ストレッチ糸の扱い方
ストレッチ糸というのは読んで字のごとく糸自体にストレッチ性いわゆる伸縮性が有り 伸び縮みに富むというのがストレッチ糸の最大の特徴で、この特性が糸を選ぶ際の理由であり編立てる際一番注意を払わなくてはならないのもこの特徴に関してになります。
手編みをやったことがある方なら想像出来ると思いますが 棒針で手編みをする際初心者は 単純な天竺目の一段一段を目の大きさや編みのテンションを変えずに均一にするのも意外と難しいものです。
ですがこれが仮に糸が更に伸び縮みをするとしたらどうでしょう?厄介極まる感じですよね。たぶん私も綺麗に編めません。
これと同じことが例え機械で有っても同じだということをまず始めに理解して下さい。糸をコーンから編むキャリアにまで一定のテンションとスピードで供給し続ける調整を加えることは伸縮糸になれた現場でも扱いは難しく、ちょっとした弾みで糸が供給時にどこかに引っかかって編み目がつれてしまうなんてこともあります。
ここからは本題です。
ストレッチ糸を編む際実際現場ではこんな注意が実際には払われます。
1.コーンの形状が通常とは異なります
ストレッチの糸は可能な限り余計なテンションを掛けずにスムーズかつ一定に糸を給糸する為、巻くコーンの形状が通常とは異なります。糸をスムーズに上に取りあげ易くするためです。
2.コーンに巻く糸の巻きのテンションが違います
伸縮性のある糸は大きな引っ張りを掛けるあるいはそれを長時間不可をかけてしまうとその伸縮性は失われる あるいは著しく低下します。ですからストレッチ糸は可能な限りリラックスした糸の状態 糸に引っ張りを極力掛けない状態でコーンに巻き取りをします
実際にそのように巻かれたコーンに触れて頂くと通常のテンションで巻きが行われている糸に比べ とても柔らかいことが確認頂けます。
*一番テンションにムラなく柔らかく巻けるとされる シュワイダーコーン
しかしここでもまた一つ注意が必要です。いかに柔らかく巻きが行われている糸であっても、コーンに巻かれたその状態は 糸が引っ張られるそのストレスは決して0ではありません。ですから巻いて保管している状態が長ければ長いほど糸に”伸び”が起こり 新たに染めて出荷した糸と比べると編み立て際のその編地の幅や丈がまるで違う なんてことが起こる可能性があります
*注意点
上記1と2の作業は専門の工場で専門の巻きの設備を用いて作業が行われます。ですから編立て工場に糸が納品された後にロウ引きやジャンボコーンを作ることを目的としたな巻き返しは特に注意が必要となります。 というより原則巻き返しは”ダメ”と認識下さい
今日はこのへんで