ニット製品のシワ加工について
- 加工
- 投稿日:
- 2017-10-06
- (更新日:2020-06-27)
皆さんこんにちは。やっしーです。
秋風が心地よい今日この頃、皆さんはどうお過ごしですか?
待ちに待ったセーターの季節。今年もどんなセーターに出会えるかワクワクしております!!
さて、今回のテーマは製品に施すシワ加工についてです!以前、新潟の整理工場へ見学に行かせてもらった時に、おぉっと驚いた事がありました。シワ加工って機械ではなく人の手によって施されてるって知ってましたか?私はなんとなーくですが、機械によって加工されていると思っていたんです。そんな私のサプライズ感を工場の写真と共にご覧ください。
目次
- 手作業による加工
- どんな素材が適している?
- まとめ
手作業による加工
シワ加工の編地がコレです。シャツなんかでよく見かけますよね?
では、どのように加工をしていくのでしょうか?
写真と一緒に見ていきましょう。
まずは、筒の中に袋を入れて、加工を施す編地を詰めていきます。
この工程は、再現性を上げるために、サンプル製品を加工した人が、現物製品までを一貫して手がけます。というのも手の大きさや、筒に編地を詰めていく力加減によって、シワの入り方が変わるからなんです。
熟練の職人の絶妙な加減によって、シワ加工というのは施されているんです。
詰め終わると、袋ごと詰めた編地を取り出します。 ここでも絶妙な加減で袋を縛ります。
仕上げに、この湯気がモクモクで見るからに熱そうな真空釜に袋をセットします。
この釜の中でとても高い熱をかけて、ポリエステルの特徴である熱可塑性(熱により形状を記憶する性質)を利用して、先の工程で作ったシワをしっかりセットすることによりクセを付けていきます。 シワの加減などを手作業で行われているとは思ってもみませんでした!!!
どんな素材が適している?
今回ご紹介したシワ加工。こちらは、先にもお話しした通りポリエステルの特徴である熱可塑性を利用した加工です。
ポリエステルの混率が高いほどセット性も高くなります。ですのでシワ加工は、ポリエステル高混率の素材に適しています。天然繊維の混率が高いと天然繊維の焦げ付きを避けるため、温度を高く上げられず、セット性が落ちます。
まとめ
この業界には、私たちが知らない匠の技がまだまだあることでしょう。普段私たちが何気なーく頼んでいることでも、工場の職人さんたちの熟練した技術があってこそなんでしょうね☆
現在ものづくりの現場では、今回ご紹介した技術などを受け継いでいく若手の方が大変不足しているようです。このままだと日本のものづくりの技術が伝承されずに消えていってしまうかもしれません。
そんなの嫌ですよね??
丸安毛糸ブログではこういった工場の匠な技を伝えつつ、少しでも多くの方に興味を持ってもらい、少しでも業界に貢献できればなぁと思っております。
それでは、また次回も宜しくお願いいたします。