秋冬新作素材をご紹介 ”Smoofu スモーフ” 水溶性ビニロンの取り扱い方

  • ニット製品の取り扱い方法

みなさんこんにちは松井です。

 

気付けばあっという間に10月です。ここから年末までもそれこそあっという間に過ぎ去ってしまうのだと思いますがまだまだ今年やらなければならないことは目白押しです。一つ一つしっかり確実にこなしていきたいと思います。

 

目次

  • 新作素材”Smoofu スモーフ”のご紹介
  • 水溶性ビニロンの取り扱い方

新作素材”Smoofu スモーフ”のご紹介

既に新潟/山形とスタートを切った 来AWの新作素材の展示会。その展示会の中でご紹介をしている新作素材より一つ今回ご紹介します

品名:Smoofu スモーフ

番手:3/78

混率:17.5μウール 55%  水溶性ビニロン 45%

 

17.5μのバソランウールを使用しておりますが、水溶性ビニロンを使用しておりますので ウール100%をそのまま編んだものとは全く違う弾力に富んだ膨らみの有る風合いに仕上がります

 

繊細な表情を持ち柔らかで 秋冬のシーズンでも秋の立ち上がりから充分に活躍が期待出来る素材感です

1/3.5のリリヤーンも同時展開をします。こちらもとても軽く 通常のリリヤーンに比べてその重さはかなり違いがあります

水溶性ビニロンの取り扱い方

こちらの糸は水溶性ビニロンをウール原料と一緒に混紡をしています。この水溶性ビニロンは編み立てが終わった後にビニロンを溶かし出すという作業が発生するのが通常とは異なる点になります。

 

この水溶性ビニロン 実際に扱ったことが無いという方も勿論いらっしゃると思いますので 取扱い方とその注意点をポイントに絞り記述致します

 

その1:溶解温度を確認

水溶性ビニロンと一言にいっても実はその種類は様々で、作られたメーカー・商品によって性質が異なります。その性質の違いの大きくはその溶解温度で40℃で溶解するものもあれば80℃で溶解するものもあると本当に様々ですので 取扱いをされる際は必ず事前に確認を行って下さい。ちなみにこの”SMOOFU スモーフ”は70℃溶解になりますので70℃以上の熱湯での溶解作業を行う必要があります

 

その2:すすぎがとても大事です

水溶性ビニロンの入った素材の編地は一度熱湯にくぐらせると一目瞭然にお湯に溶けだしていることが目視可能ですが、実はこれで安心してはいけません。溶け出したビニロンはお湯に溶けだしているだけなので 編地をお湯から取り上げる際 溶解したビニロンが勿論再度付着をしてしまいます。この編み地をこのまま脱水乾燥を行ってしまうと溶け出したビニロンが中途半端に編地に固着した状態となりガビガビのとても良くない仕上がりになってしまいます。 ビニロンを溶かし出した後も 凝固しないように水ではなく充分な熱湯ですすぎの作業を行う必要が有りこの作業が一番大事な作業となります。

 

その3:チャンスは1回きり

この水溶性ビニロン 扱いが少し難しいとされるのはこの理由が主な要因です。実はこのビニロン 溶解温度はそれぞれに定められており溶かす作業を行いますが、一度しかこの作業は行うことが出来ません。溶解温度ギリギリの温度で作業を行い 中途半端に溶けている所と溶けていない所が発生した場合 また先に上げたすすぎの作業が充分に行われていなかった場合など その編地の風合いが求めていたものに仕上がらなかった場合 再度熱湯で溶かして作業をやり直すということが出来ません。チャンスは一度きりなのです。

しっかりと扱う水溶性ビニロンの性質を理解し 正しい作業方法を持って扱うことが求められますので 都度取扱いの際の作業工程の確認を必ず行う様にして下さい。

 

では。