必見、ニット素材で注目のモール糸の取り扱い方法です。
- ニット糸の取り扱い方法
- 投稿日:
- 2017-03-27
- (更新日:2020-06-27)
寒かった冬もようやく終わり、春の兆しと同時に桜の花が咲き始めてきました。
例年に比べ今年の開花は遅く、また今年の4月の気温も低いとの予報も出ていますので、今年はお花見が長く楽しめそうです。
こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回は今年の人気素材、モール糸の取り扱いに付いて書いていきますので最後までお付き合いをお願いいたします。
- 目次1 モール糸製造方法に於ける欠点
- 目次2 突出し現象に付いて
- 目次3 デメリット表示に付いて
- まとめ
モール糸製造方法に於ける欠点
モール糸を製造する際に芯糸に対して左右に糸を振り、振り出した部分をカットしてモール糸を作りますが、カットの時に左右の長さが同じにならず誤差が発生してしまいます。
その為に編地で陰影の差が出てしまい色ムラの様に見えることがあります。また、糸の入りが縦になったり横になることでムラに見えることもあります。
解消の方法としてはコース切り替えをすることで、全体的に分散をさせることで目立たなくなります。
突出し現象に付いて(飛び出し)
モールの毛羽がこすりあうことで糸が飛び出しを起こすことがあります。この現象は猫じゃらし(エノコログサ)を握りを繰り返すと飛び出して来る現象と同じです。
解消方法としては度目をきつめにして編むことで飛び出しにくくなります。
デメリット表示に付いて
糸の性質上毛羽抜けしやすいので、インナーには同色系の物を着用してください。
モール糸の毛羽は接着(エルダー)されたものです。その為、摩擦に弱く毛羽抜けを起こします。
スポーツなどの激しい運動には耐えられず、バックなどによる摩擦ででも毛羽抜けをしてしまいます。
弊社の30年前の取り扱い方法です。
まとめ
モール糸の取り扱いについては、以前は慣れていないということもあり、多くの問題が発生したため、弊社や撚糸屋さんからも取り扱い方法の手引きが出せれていました。
現在においては、取り扱いに慣れ親しんで頂いておりますので、以前の様に多くの問わわせは無くなりましたが、時より上記のような問い合わせをいただくことがございますので、取り扱い方法を書かせていただきました。
モール糸は芯糸ではさんで接着をしているか、ラッセル編みではさんでいるだけなので、ひっぱたり摩擦の抵抗が大きければ抜けてしまいます。
モール糸の特徴と欠点をご理解をして頂ければ幸いです。
今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。