ニット糸で使用する麻のお話(ラミーとリネンの違い)

  • ニット糸の取り扱い方法

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IMG_20161118_143311兼六園(金沢)

今年は11月の後半に早くも東京で初雪の観測になりました。ついこの間までは暑かったのが最近は寒く、移り変わりの速さに体がついていけません。

雪の降る一週間前は、社員研修で北陸の能登半島、和倉温泉、金沢へ28年ぶりに行くことが出ました。28年前は輪島の朝市もひっそりとしていましたが、今ではどこへ行っても

人とお土産屋さんが多く、きれいに観光地化されていました。良い場所には人が多く集まるのですね。

皆様は季節の変わり目で体調などを崩されていませんか。こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回もよろしくお願いいたします。

今回はお客様から質問をいただく、ラミーとリネンの違いに付いて書いていきます。

目次
  • 目次1 麻のお話
  • 目次2 ラミー(苧麻)とリネン(亜麻)の違い
  • まとめ

 

1、麻のお話

①日本では衣料用の原料として初めに使われていたのが麻です。その当時の麻は大麻で戦後まで栽培をされていましたが、大麻取締法によって栽培が出来なくなりました。

ただ、古来より神聖なものとして扱われたり、神事などの伝統的なものに使われるのは認められています。

②麻の種類は約20位ありますが、その中で日本で衣料用原料として認められているのは、ラミー(苧麻)とリネン(亜麻)の2種類だけで、品質表示法の指定用語は共に麻になります。 麻の一種のヘンプ(大麻)が商品化されている物もありますが、表示は指定外繊維になります。その他の種類ではジュート、マニラ麻、サイザル麻などもあるますが衣料用ではなくロープや麻袋などの資材用に使用をされています。

2、ラミー(苧麻)とリネン(亜麻)の違い

①ラミーの生産地は中国南東部、フィリピン、ブラジルなどの暖かい地域が多く、それに対してリネンはロシア、中国東北部、ベルギー、フランスなどの寒い地域で栽培しています。 ②強度においては天然性の中でラミーが一番強く、次いでリネンになります。また、共に水分を含むとさらに強くなります。

③色はラミーはシルクのような光沢がありますが、リネンはナチュラルな麻色(亜麻色)で色を付けるときには晒をしてから染色をします。

④風合いはラミーはシャリ感とコシがあり、リネンは柔らかくしなやかです。

⑤共通の利点として、吸水性、発散性、通気性、防虫性、静電気を通しにくいなどです。

⑥欠点としては、伸びにくい、しわになりやすいなどがあげられます。

⑦繊維の長さと太さは、ラミーの繊維長が平均で60mm、太さが4.5デニール、リネンの繊維長は短く平均で20~30mm、太さは2デニール位で細い。

⑧ラミーは多年生(茎や葉は枯れてもそのまま残り、また翌年に緑の草に戻る),リネンは一年生(冬には枯れてなくなり、翌年は新芽から成長をする)

⑨ラミーは生育が早く、亜熱帯の地方では年に3~4回収穫することができ安価ですが、リネンは年に1回の収穫のため高価になります。

まとめ

ラミーの良い点としては、繊維長が長く太いのでシャリ感があり夏に適した清涼感が一番の持ち味です。

リネンの良い点は繊維の太さが2デニールと細いので柔らかく着心地の良さにあります。

ラミーとリネンの違いで上げました①~⑨を参考にしていただき、製品作りのお役に立てば幸いです。

最後に注意点としては、麻は乾燥に弱く、乾燥をしてしまうと枯草や枯葉の様に力を加えると砕けるように切れたり、摩擦抵抗が少なくなり抜けてしまいますので加湿をして下さい。

今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。