すぐに分かる糸の実貫と投入(トップ染と糸染)
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2016-10-18
- (更新日:2020-06-27)
暑かった日も収まり、日中も20度に達しない日などもあるようになり、やっと秋らしくなって来ました。ただ今秋は台風が多く、休みの日の雨も続き、今までは行楽の秋にはなっていないようです。そんな中、秋の味覚の銀杏をいただき、きれいに洗いベランダで干しています。こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回もよろしくお願いいたします。
今回はお客様より質問をいただきます、実貫数量と投入数量のついて書いていきます。
- 目次1 実貫数量
- 目次2 投入数量
- まとめ まとめ
実貫数量
実貫数量とは紡績、撚糸工場で出来上がった糸の数量(kg)です。
紡績工場では生地糸、先染めのトップ糸(梳毛糸、紡毛糸、紡績タム、紡績ループ、紡績リリアン)など
撚糸工場では主に生地糸、紡績で上がった糸の双糸、3本撚りや多本撚りなど
投入数量
投入数量(kg)とは生地糸を基準に、染色工場で染め加工をした糸の数量です。
投入数量は素材の原料、混用率によって違いがあります。
染工場さんのご指導の元、作成いたしましたのが下記になります。
同じ素材でも淡色、中間色、濃色によっての違いもあります。淡色の方が軽く、濃くなるほど目方は増えて行きます。
まとめ
染色糸の投入数量が持ちいれられた経緯については、長年の諸事情により現在に至っています。
実貫数量を持ち得た場合には、乾燥を甘くしたり、油を多く含ませ水嵩を課し数量をごまかすなどの事が合ったようです。
そのことで滑りが悪かったり、糸にカビが生えたり、油でべた付いて編みにくい糸が販売されるようになったそうです。
または、実際の目減り率より多く計算をして単価を上げるようにもなってしまいました。
その結果、考えられたのが紡績さんを信じ、生地糸の投入数量での取引になりました。
以上は私が30数年前に先輩から教わったことです。
最後に、同じ素材で色や水分率によって目方は変わりますが糸の長さは変わりません。ただ、色の薄い方が細く、濃い方が太くなることがあります。
今回も最後までお付き合いを頂きありがとうございました。