デザイナー必見!ジャカードニット編地の作り方紹介 涼感ニットの提案 丸安展17SSから

  • 編み・柄

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ども。皆さんこんにちは。飯島です。
季節の変わり目、皆さんはお体の調子はいかがでしょうか?

弊社17SS向け丸安展示会も東京本社展、大阪展も無事に終了しました。
多くのご来場いただいた皆さん、誠にありがとうございました!
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これよりピックアップ頂いたBOOKやスワッチ資料などの発送、その後のフォローに向けて動いております。まだまだ間に合う冬素材、これからの春夏素材に向けての準備。企画に向けて展示会に来られなかった方も、どしどしお問合せ下さいね。
さて今回のブログは、展示会で提案した “夏のジャカード柄”についてご紹介します。
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横編みジャカード柄のイメージって、皆さんフェアアイルや雪柄などイメージされる方も多いと思いますが、今回はもっと自由にニットでもイメージを表現できるんだということをお伝えします。

※以前、ご紹介したニットCADのソフトのブログ⇒ニット製品の作り方・種類 ホールガーメントについて⑤ ニットのシステム/企画サポートいたします
こちらを先に読んで頂くとさらにイメージもつかみ易いかと思います!

 

目次

  • 画像選びレイアウト/ゲージを決め
  • 色をまとめる
  • 配色変更
  • ニットでシミュレーション
  • 完成
  • まとめ

 

■画像選びレイアウト/ゲージを決め

まずはどのような、デザインにするかを決め、イメージを基に画像を用意します。

あらかじめ、どんなゲージ、素材感など具体的に企画を詰めておきます。
今回は14Gで4色のジャカード。繊細で細かなデザインを考えていたので、グラデーションなども表現できる抽象的な画像に決めました。
元画像
これがニットになるイメージはまだなかなか難しいですね~。

 

■色をまとめる

服にするイメージ的に横向きのほうが良かったので画像を回転しました。

今回は4色のジャカード柄。
先ほどの絵ではとてもとても微妙なニュアンスの色が多く、グラデーションのためニットの4色にするために、色を画像ソフトで4色の画像に変換します。
画像の中で目立つメインとなる色に曖昧な色をまとめていきます。
色纏め色纏め
元の画像のイメージを残したままベタの4色に置き換えました。

 

■配色変更

4色に色がまとまったところで、ここから希望の配色に色を変更します。

配色変更

今回は、退廃的なモノトーン!ということで(白、Lグレー、チャコール、黒)の4色に色を塗り替えました!
あらかじめ使いたい糸にある色を選択してくださいね!
配色のイメージはいいけど、、糸の色が無い!ってこともありますので(笑)

 

■ニットでシミュレーション

ほぼ、先のイラストで完成イメージが見えてきましたが。最後にニットのゲージに変換します。
今回は14ゲージと繊細なところまで表現できますので、元のイメージをほとんどそのままゲージに落とし込むことができました!

シミュレーション

先ほどとあまり見た目変わってないかもですが、拡大すると1目1目ループの画像になっています。

(PhotoShopなどお使いの方はイメージしやすいと思いますが、ニットは1ドット/1目になります。画像の解像度の高さ・低さと同じようにゲージごとにドット表現が変わってしまします。)

 

■完成

さて、この画像データを基に編機にかけスワッチを作成します。
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度目など何段階かを作成し、希望の厚み・風合いを決定します。
今回はSS素材でハリのある糸なので、素材を活かし目面の立った、触感もさらっとコシのある度目に決定しました。

今回は、ジャカード柄の編地を生地扱いのオールカット。ロックミシンで縫製。
しっかりとリブも編み続きで付けています。
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製品スペック
・14ゲージ メンズ4色ダブルジャカード
前身頃:画像JQ柄 後身頃・袖:無地JQ柄
・素材1 (黒・チャコール):Ramierush 2/60 ×1P
・素材2 (Lグレー・白):Spoery Ice Cotton 35/1 S+Z引き揃え×1P

ラミー素材と強撚コットンの2素材の表面効果を活かした繊細なジャカード柄。
細番手でハリのある糸のため、4色Wジャカードにしても厚みもなく、目のループもしっかりと立つことで、糸どうしが離れるので通気性があります。
Spoerrry Ice Cottonは接触冷感素材の特徴があり、裏面の肌に触れる部分はひんやりとした感触を得られることができます。

 

 ■まとめ

さて、いかがだったでしょうか?
こんな抽象的な画像も思い通り、ニットでも表現できるんですね!
リピート柄ももちろん、一枚の絵を編地で表現したり、部分的にも好きな画像を取りこむこともできます。
とくにイラストやグラフィックの得意な方には、非常に特徴を活かせる方法です。

 

オリジナルの生地を作りたいけど、織りではロットが大きすぎて作ることができない・・・。
でも、横編みというのは1枚から最小単位でオリジナルの生地を作ることが可能です!
色を変えたり、部分的に柄を変えることも非常にクイックに対応する事も特徴です。

 

ちょっと注意点としては、ゲージによって目の大きさ(画像の1ドット)が変わるので使用ゲージに向いた、画像デザインで企画することがポイントです!
以上。今回はこのあたりで失礼します。
この場を借りて、作った製品など、ニットの作り方について絡めてご紹介できればと思います。
ではでは!