知ってると役立つ。印鑑の豆知識①
- 仕事に役立つ豆知識
- 投稿日:
- 2016-05-26
- (更新日:2020-06-27)
とうとう梅雨の時期になりましたね。平年に比べて沖縄は1週間、奄美は5日それぞれ遅い梅雨入りとなったようですが、昨年に比べると3日前後早かったようです。
こんにち、小柳です。
一年でジメジメし雨の多い梅雨は苦手なのですが、そろそろ関東でも梅雨の時期になってしまいます・・・が、その先にはギラギラ光る夏が待っているので、輝く夏に向かい振り返らず、突っ走って行きますね。
それでは本題ですが、新入社員の皆様も入社し約2ヶ月が経ち、いろんな場面で判子を使用する機会が増えてきますので、今回は判子と印鑑、シャチハタと印鑑の違いについてご紹介します。
目次
- 判子と印鑑の違い
- シャチハタとは?
- シャチハタと印鑑の違い
- 実印・銀行印・認印、シャチハタが使えるのは?
- 「シャチハタ不可」の理由とは?
- 最後に
判子と印鑑の違い
大事な書類に署名をしてさらに判子を押すことがありますが、「判子を押してください」「印鑑を押してください」と普段は同じような感覚で使ってしまいますが、判子と印鑑の違いってわかりますか?
判子とは?
判子とは、個人や組織がたしかに当事者であることを示すための印を押す道具のことをいいます。多くは棒状のかたちをしていて、その断面は円形、角型、楕円形など様々です。判子そのものには印章という名称があります。
印鑑とは?
印鑑とは、判子をつかって押された紙等の上にのこった文字や絵など印そのものを指します。本来の”印鑑”の意味とはハンコを押印した印影のことで、その印影の中でも実印や銀行印など、地方自治体や金融機関にあらかじめ提出している特定の印影を指して”印鑑”と言います。
補足:印面とは姓名を彫る面の事です。
シャチハタとは?
シャチハタは朱肉のいらないスタンプのことです。
シャチハタとは、スタンプやゴム印など文房具を取り扱う企業名、しかも正式名称は「ヤ」が大きい「シヤチハタ」株式会社のことを指します。
シヤチハタ株式会社は、1965年、本体にインクが入っているため朱肉がなくても印鑑が押せる浸透印を開発しました。この浸透印を「シャチハタ」と呼ぶようになり、現在までその呼称が広く普及しています。
浸透印・ネーム印メーカーは他にもたくさんあるのですが、なぜか他社製品でも、「浸透印=シャチハタ」という名称が広まってしまいました。
シャチハタと印鑑の違い
「捺印を求められたとき、シャチハタを押してもいいのか…」「重要な書類はシャチハタではなく、ちゃんとした印鑑を押さないといけないと聞いたことはあるけど…」こんな風に悩んだことはありませんか?
そもそも、シャチハタと印鑑の違いは何でしょうか?
シャチハタの最大の特徴は、インク浸透印であるためいちいち朱肉をつけなくても捺印できること。印鑑を連続して押すような事務仕事では大変役立ちます。
印面がゴムでできている
シャチハタは、印面がインクの染み込みやすいゴムでできています。一方印鑑(はんこ)といえば、硬い木材や動物の角・牙に印面を彫ってできたものです。
シャチハタは、印鑑というより、ゴム印やスタンプに近い存在です。
実印・銀行印・認印、シャチハタが使えるのは?
時々出くわす「シャチハタ不可」の書類があります。一般的に「公的文書ではシャチハタのような浸透印、ゴム印を利用してはダメ」と言われています。
浸透印を利用できるかどうかは、印鑑の種類でいうと以下のようになっています。
実印にシャチハタ
実印として浸透印を使用することはできません。
役所に登録した判子が実印となるのですが、印鑑登録の条件として「ゴム印、スタンプなど印面が変形しやすい判子は禁止」とされているのです。
銀行印にシャチハタ
口座開設の際に届け出る判子が銀行印なのですが、これにも使用できません。
各金融機関によっては銀行印の条件がはっきり明示されていないところもありますが、基本的にどの銀行でもシャチハタ浸透印は禁止されています。
宅配物を受けとるときや回覧を見たときに押すなど、法律上の意味合いが弱いものはシャチハタでもOK。
契約書類など、法律上の意味合いが強い捺印は、浸透印でない判子を使う必要があります。
「シャチハタ不可」の理由とは?
実印や銀行印、重要な意味合いの認印で、なぜシャチハタではだめなのか?
シャチハタ不可の理由を3つになります。
①インクは朱肉より消えやすい
一方、インクの染料は朱肉とくらべれば色あせやすく、また太陽光にあたると印影が消えてしまう可能性も。ただし、今では長期保存に優れたインクも登場しています。
②印影が変形しやすい
硬い印面をもつ印鑑とくらべて、シャチハタは印面がゴムであるため経年劣化しやすいのです。
さらに、押す力加減によってインクの染込み具合が変わり、文字が細くなったり太くなったりします。
印影がコロコロ変わってしまうと、どのはんこで捺印したのか・本人が押したのかどうか判別がつかず、重要な契約ではトラブルになる可能性があるため、公文書での使用は好ましくありません。
③既製品は印面が同じもの、同型印が多くて危険
シャチハタは多くのものが大量生産された既製品です。
シヤチハタ社の商品「ネーム9」では約2100種もの苗字が既製品として販売されています。珍しくない苗字であれば、いちいちオーダーメイドすることなく、文房具屋さんですぐ購入でき、とても便利です。
ネーム印だけでなく、印鑑(三文判)でも文房具屋さんやスーパー、100円ショップなどで既製品が販売されています。
しかしこの既製品、まったく同じ印影をもつ判子(同型印)が何千本と大量生産されるため、要注意です。
契約を交わすときの判子や重要書類の承認印として同型印を使うのは避けてください。同じ印影さえあれば、書類内容を偽装することも可能だからです。
最後に
重要な契約時や公的書類にシャチハタを使うとトラブルが起こる可能性があるため、「シャチハタ不可」の書類もありますが、シャチハタを使ってはいけない、という法律があるわけではないようです。しかし重要度に関わらずビジネスマナーとして、朱肉を使った印鑑しか認められません!と断られる場合もあるので、悩んだときは書類の提出先に相談するか、ネーム印でない認印を押すことをおすすめします。次回はもっと詳しく印鑑についてご説明していきたいと思います。
それでは!