ニット糸の特徴で使い分けるとデザインが楽しくなる
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2016-04-19
- (更新日:2020-06-27)
家の近所に咲いていましたチューリップ
東京近郊のさくら(染井吉野)もほぼ終わりに近づきましたが、周りを見渡せば色とりどりなきれいな花が咲き始めていました。これからも花みずき、花菖蒲、藤、桐、つつじ、さつき、・・・・と楽しむことができます。天気の良い日に散歩に出かけてみてください。
こんにちは丸安毛糸の田崎です。休みの日には外へ出て遊び(釣り)回っています。
今回は基本的なスパン糸(短繊維)の糸形状に付いて書いていきます。
- 目次1 単糸
- 目次2 諸糸
- 目次3 複合糸
- まとめ
単糸
短繊維を紡績にかけ、初めに糸として出来た糸です。横編みのニットでは強度が弱く、斜行もあり、風合いも良くないのでほとんど使用をすることがありません。糸番手の太い素材は糸の繊維本数が多く、撚り回数が少なくても繊維どうしが絡み合いますので、単糸での使用が可能です。斜行をデザインに取り入れた製品に使用をする糸は、撚り回数を多く入れ強度を増してます。
紡毛糸の在庫は、織糸での使用が多いので単糸でストックをしています。双糸での使用には撚糸期間が1週間程度かかる場合があります。
編地は1/48シケイン(ウール100%の強撚)を使用して斜行を活かした編地に仕上げています。
諸糸
2本以上の単糸を撚りあわせた糸の事です。諸糸にすることにより強度を増し、単糸を逆に撚ることで風合いも良くなり、斜行を押えることが出来ます。
諸糸は一般に双糸(2本を撚る)が多く使用をされています。形状をより丸くして風合いが良く、編み目がきれいに出る三子糸(みこいと)、四子糸、五子糸などは、撚り本数を多くすることで強度が強くなりますので、撚り回数が少なくて済み、膨らみがありより風合いの良い糸になります。
バルーンは2/27、1/3.4、1/2.7、1/1.4と4番手あり、ゲージに合わせて使い分けることが出来ます。
複合糸
大別すると混紡糸、交撚糸、コアヤーンに分かれます。
1、混紡糸
糸にする前の段階で複数の原料を混ぜ合わせから紡績をします。単一の原料では出しえない、光沢、風合い、強度などを持ち合わせた糸が作れ、原料の欠点を補うことも出来ます。
ウールとレーヨンの原料を混紡することで、ウールーの暖かみ、風合い、レーヨンの特徴である光沢、ドレープ感のある素材になります。
2、交撚糸
原料や番手などが違う単糸どうしに、撚りを掛けて作ります。混紡糸と同様に単一の原料では出しえない素材を作ることができ、組み合わせにより新しい素材
作りが出来ます。
アンゴラウールの糸にレーヨンを撚糸をすることで共に強調されます。
3、コアヤーン
糸の芯に化合繊の長繊維などを入れ、短繊維で巻きつけて作ります。横編み用では芯に収縮性のある糸を入れ、ストッレッチヤーンとして使用されています。
綿糸を撚糸する特にウーリーナイロンを芯に入れ、ストレッチヤーンに仕上げています。
まとめ
素材は色々な楽しみ方ができ、その原料の持ち味だけを楽しむことや、他の原料と合わせることで新しい風合いや光沢、強度、物性的に良い物も可能です。
また、デザインに合わせた糸の番手、組み合わせる原料の数や割合などで出来上がる糸は無限大です。
交撚糸やファンシヤーンの糸番手表記は単糸になっていますが、撚糸をする段階でバランスを取ってありますので斜行はしません。
今回はストレート糸に付いて書かせていただきました。次回もよろしくお願いいたします。