合成繊維(ポリエステルの性能を知って使いこなそう)
- 繊維と糸
- 投稿日:
- 2016-02-04
- (更新日:2020-06-27)
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各地で大雪や普段は雪など降らない地域からも雪の便りが聞こえてくるなか、すでに早咲きの梅の花が満開を迎えていました。
寒い寒いと言いながら、少しづつ春が近づいて来ているのが感じられます。こんにちは丸安毛糸の田崎です。今回もよろしくお願いいたします。
今回は、ポリエステルの種類、長所、短所に付いて書いていきます。
種類
1、PET(ポリエチレンテレフタレート)
一番多く使用をされているポリエステルで、ペットボトルなどに利用をしているPET樹脂を繊維にしたものです。
ポリエステルと通常呼ばれている物で、衣料用の原料として多くのメリットがあり、他のポリエステルより原料価格が安く済みます。
高温染色になりますが、感熱セットでプリーツ加工が出来ます。
2、PTT(ポリトリメチレンテレフタート)
PTTの特徴は、形態の安定性とナイロンのような柔らかさにあり、回復力や伸縮性があります。
一番の特徴は、PETより低温で染めることが出来ますので、複合をした天然繊維の物性を損なわずにすむことです。
ポリエステル100%の素材ですが高温染色(分散染料)と常温染色(カチオン染料)で染め分けることが出来ます。
3、PAL(ポリ乳酸繊維)
PETやPTTは石油を原料にしていますが、PALはトウモロコシを原料に使用した合成繊維です。ポリエステルの仲間ですが、家庭用品品質表示法では指定外繊維になります。
原料がトウモロコシなので価格に問題があります。
長所
1、ナイロンに次いで2番目に強度があり、乾湿時でも変化がしにくく耐久性もあります。
2、熱に強く、合成繊維の中で最も優れています。
3、摩擦に強く、屈折強度にも優れています。
4、寸法の安定性に優れているので洗濯性も良い。
5、熱でのセット性が良いので、一度セットをされると伸びや縮が無く安定性の良い製品が出来る。
短所
1、吸湿性が低いので汗の吸い込みがない。
2、染色性が悪く、鮮明な色が出しにくい。
3、繊維長が長いため、毛玉が出来やすく取れにくい。
まとめ
横編みニットの素材としては、ポリエステル100%での使用は少ないのですが、他の原料と混紡をすることで強度が増したり、清涼感のある素材にすることが出来ます。
熱でのセット性が良いので、プリーツ加工の製品には良い素材です。
原料の長所と短所を活かして使用をして頂ければ幸いです。
最後までお付き合いを頂きありがとうございました。